経営・戦略

2026.04.26 04:27

なぜNASCARと組んだのか?飲料ブランドCEOが語る「真のパートナーシップ」の築き方

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執筆:Jay Williams(創業者兼CEO、Free Bird Southern Spring Water

飲料ブランドを築くのは、気の弱い人に務まる仕事ではない。私自身、何かを「ちょっと試してみる」タイプではない。私はどちらかといえば「すべてを賭ける」人間だ。まさにその姿勢で、私は自分の飲料ビジネスをつくり上げている。

立ち上げから1年もたたないうちに、私はNASCARのレーシングチームと複数年のスポンサー契約を結んだ。なぜかと尋ねられれば、私はビジネス上の答えを返す。顧客基盤との真正な一致である。自社で語っている価値観を体現する組織を見つけることが、いかに重要かはいくら強調してもしきれない。

しかし、そこにはさらに深い理由がある。私たちは日々を生きる米国の人々のために設計している一方で、時代は分断されている。だがデイトナ・インターナショナル・スピードウェイやダーリントン・レースウェイのレース当日にインフィールドへ足を踏み入れると、しばしば違う光景が広がる。教師がトラック運転手の隣に座り、建設作業員が企業幹部とクーラーボックスを分け合い、農家が消防士と仕事の話をしている。私の見立てでは、レースは異なる背景を持つ日常の米国人が集う数少ない場所の1つである。

断片化した消費者市場において、包摂的なポジショニングは競争優位につながり得る。私は、共有体験が単に認知度の高い顧客ではなく、ロイヤルカスタマーを生むことを学んだ。人は、ただ知っているだけのブランドからは買わない。自分が信じるものを体現するブランドから買うのだ。そして、どのようなパートナーを選ぶかは、ブランドの価値観を直接映し出す。

パートナーとの真正な一致がもたらすビジネス上の合理性

私が見てきたなかで、ブランドがパートナーシップについて見落としがちな点がある。それは、リーチとインプレッションで評価してしまうことだ。何人の目に触れるのか。CPMはいくらか。そうした指標は重要だが、物語のすべてではない。

パートナーシップは、なりたい自分ではなく、実際の自分と一致していなければならない。一致は真正である必要がある。例えば私たちは、狙うべきだと思う相手ではなく、顧客が実際に誰であるかを基準にパートナーを選んだ。フィットネスやウェルネスのインフルエンサーは見送った。彼らが優れたアンバサダーではないからではなく、私たちの基盤に忠実でいたかったからだ。

この真正な一致は、標準的なマーケティング分析には現れないビジネス成果を生み得る。

・口コミの加速度:人が自分自身をブランドの中に見いだせると、他者に伝えたくなる。私の経験では、その拡散は有料メディアより速く複利的に積み上がる。

・顧客生涯価値:「信奉者」は「購買者」より生涯価値が高い。コミュニティづくりは信奉者を生む助けになる。

・パートナーシップの勢い:1つの真正な一致が、次の一致を呼び込むことがある。例えば私たちの場合、提携を発表した後、ディストリビューターや小売業者との会話の内容が変わった。

ブランドにとってのベストプラクティス

私は潜在的なパートナーシップを評価する際、前に進む前に4つの質問を自分に投げかける。

1. 顧客にとって納得できるか?最初のフィルターである。顧客基盤と相手のオーディエンスが自然に重ならないなら、そこにないものを無理やり成立させようとしている。私たちのレースとの提携が機能するのは、レースファンと私たちの顧客が同じ人々だからだ。説明は不要で、フィット感は明白である。

2. 何を支持するかで一致しているか?ミッションステートメントの文言にとどまらず、トーン、ポジショニング、価値観の面で、両ブランドが自然に感じられるかを見るべきだ。不一致は見れば分かる。正当化や但し書き、創作的な説明が必要になる。真正な一致は自明である。

3. 価値交換は公正か?双方が何を持ち寄るのかを率直に見極めることだ。一方が明らかに得をしていると、反感はすぐに募る。私が見てきた最も強いパートナーシップは、双方が「自分たちのほうが良い条件を得ている」と感じられる関係である。

4. 単発の協業にとどまらないか?短期の施策にも役割はある。しかし、本当のビジネスの勢いを生むのは、より大きなものへ育つ可能性を持つパートナーシップだ。自問すべきである。これは、いまはどちらも完全には想像できない何かへ発展し得るだろうか。

最もうまくいくパートナーシップは、あなたに別の何者かになることを求めない。すでにある自分そのままでいるための、より大きな舞台を与えてくれる。

競争戦略としての共通基盤

最良のパートナーシップは、流行を増幅するのではなく、あなたがすでに信じているものを増幅する。いまの世界では、人々を結びつけ、企業が何を支持するのかと一致するパートナーシップを見つけることに、大きな機会がある。時に最善の戦略とは、製品を超えたより大きな何かを信じることなのだ。

forbes.com 原文

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