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2026.05.21 12:30

早起きが「逆効果」の場合も。仕事ができる人の生産性を下げる3つの有害な習慣

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ビジネス系のポッドキャストやLinkedInの投稿、自己啓発に関するフィードで目にするものが言わんとすることはたいてい同じだ。あなたは本来もっと集中できるはず、もっと自己管理ができるはず、もっと効率的になれるはず──。だが心配は無用だ。解決策がある。取り入れるべき朝のルーティン、導入すべきワークフロー、ダウンロードすべきアプリ、従うべき手順──。その結果、私たちは生産性に関する有害な考え方を受け入れた。つまり、適切な仕組みさえ見つければ自分はもっと良くなるという考え方だ。

公平を期して言うと、こうしたツールの中には確かに役立つものもある。物事の進め方や集中、習慣作りに苦労している人にとっては、適切な仕組みが大きな変化をもたらすこともある。だが、その他の人にとってはそう単純な話ではない。

他の人はルーティンを試し、アプリをダウンロードし、ルールに従う。それでも生産性が上がるどころか、むしろ注意散漫になり、束縛されているように感じ、疲弊感が増す。仕事にかかる時間は長くなり、思考は浅く感じられ、モチベーションも下がる。こうした状態は自分に非があるからだと解釈しがちだが、実際にはミスマッチである可能性が高い。

よく知られている生産性を高めるための習慣の多くは一貫性と目に見える成果を最大化するように設計されている。だが、全てがそのように機能するわけではなく、思考も然りだ。もしあなたの知的な強みが「深さ」「柔軟性」「統合力」にあるなら、これらの習慣の一部はかえって逆効果になることがある。この記事ではその3つの例を紹介する。

1. 厳格な朝のルーティンは必ずしも生産的ではない

「早起き」の心がけは成功とほぼ同義のように語られている。仕事ができる人は朝5時に起き、厳格な一連のルーティーンをこなし、ほとんどの人が1杯目のコーヒーを飲む前にその日の目的を達成していると言われる。夜明けとともに起きなければ、自分の可能性を十分に生かしきれないという意味合いだ。

だが、多くの自己啓発のコンテンツはこの考えが大きく誤った前提に基づいていることに言及していない。誤った前提とは、1日を組み立てる最善の方法は1つしかないというものだ。研究はそうではないことを示唆している。

専門誌『Scientific Reports』に2020年に掲載された研究では、研究チームが極めて知能が高い人々(知能指数の高い人の団体であるメンサの会員)と対照群を比較したところ、クロノタイプには有意な生物学的差がなかった。つまり、知能の高い人たちは「夜型」「朝型」といったカテゴリーに完全に分類されるわけではない。むしろ、平日の就寝・起床パターンの違いは主に環境要因、特に柔軟な勤務スケジュールの影響を受けていた。

これは、1日のスケジュールを組む上で指針とすべき重要な洞察だ。高度な認知作業を行う人は、自分の調子のピーク時に合わせてスケジュールを組むときに最も高い成果を出す。融通のきかないパターンに自分を押し込むときではない。

多くの人は早朝に注意力とやる気のピークを迎える。だが、気を散らすものがなくなり、思考が深まる夜遅くの時間帯にピークを迎える人もいる。

自分の自然なリズムに反する決められたルーティンを強いることは、生産性を高めるどころか、調子が乗ってくる時間を無駄にすることになりかねない。頭が冴えているときに事務的にこなせる作業を行い、エネルギーがすでに落ちてしまっているとき集中力を要する仕事を回すことになる。

確かに仕組みを整えることは有用だ。だが柔軟性を失うと、それは思考を支えるどころか制限するものになる。

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翻訳=溝口慈子

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