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2026.05.21 12:30

早起きが「逆効果」の場合も。仕事ができる人の生産性を下げる3つの有害な習慣

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2. 絶え間ないマルチタスクは生産的とは限らない

現代の職場文化は複数のタスクを同時にこなすことを重視している。求人では「スピード感のある環境で活躍できる」「複数の優先事項を同時に管理できる」ことを理想像としている。かつては特別なスキルとみなされていたマルチタスク能力が今では基本的な要件のように扱われている。

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確かに、多くの人が複数の情報の流れを同時に処理することができる。専門誌『インテリジェンス』に掲載された画期的な研究では、持続的な注意や注意の切り替え、注意の分散といったさまざまな形態の注意が一般知能と有意な関連性があることが示されている。つまり、認知能力と注意の制御は密接に関係している。

だが、その中のどれか1つが特に重要というわけではない。また、能力と戦略は別物だ。注意を分散できるからといって、それが最も効果的な働き方とは限らない。特に仕事で深さや統合、洞察が求められる場合は尚更だ。

マルチタスクは生産的であるような感覚を生む。メッセージに返信し、タブを切り替え、複数の作業で目覚ましい進捗がある。だがタスクを切り替えるたびに認知的なコストが発生する。注意が分散し、ワーキングメモリはリセットされ、アイデアが失われる。

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統合やパターン認識、創造的な問題解決を仕事で必要とする人にとって、この注意の分散は特に致命的なものとなり得る。労働者としての価値は同時にこなせるタスクの数ではなく、1つのタスクにどれほど没頭できるかにある。

この意味で、マルチタスクは実際には生産性を低下させる可能性がある。注意の分散が有用、あるいは必要な場面もあるが、それを常態化させると有意義な成果を生み出すために必要な思考を損なうことになる。

3. 過度な最適化は生産性向上につながらない

アプリストアで「生産性」と入力して検索すれば、集中力を高め、物事をきちんと整理し、効率アップできると謳うツールが数多く見つかる。その多くがそれぞれよく設計されている。だがそれらを併用すると別の問題が生じる。仕組みが多すぎて、それぞれが何らかの形であなたの注意を引く。

タスク管理やメモ、スケジュール管理、コミュニケーション、コラボなどの専用アプリを使うのは珍しくない。そこに絶え間ないアップデートや新機能、「より優れた」新ツールが加わると、生産性そのものが変化する目標のように感じられる。

複数のツールを同時に使っていると、やがて仕事の性質が変わり始める。タスクをこなすのではなく、その周辺の仕組みを洗練しているのだ。ワークフローを微調整し、メモを移行している。そして新しい方法を試し、生産性を高めるプロセスを最適化している。

心理学者は、こうした現象を「デジタル外部化」と呼ぶことがある。記憶などの認知機能をデジタルツールに委ねる傾向のことだ。専門誌『Frontiers in Artificial Intelligence and Applications』に2024年に掲載された論文では、情報の保存と検索をスマートフォンや人工知能(AI)に頼ることが自然な記憶プロセスにどう影響するかを調べている。

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翻訳=溝口慈子

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