北米

2026.04.25 10:00

米司法省がパウエルFRB議長への捜査を終了、ウォーシュの承認近づく

Yasin Ozturk/Anadolu via Getty Images

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米司法省は現地時間4月24日、連邦準備制度理事会(FRB)の本部改修工事をめぐり行われていた、FRBおよびジェローム・パウエル議長に対する捜査を終了すると発表した。この決定により、ドナルド・トランプ大統領がパウエルの後任として指名したケビン・ウォーシュの承認手続きが進む可能性が高まった。

コロンビア特別区連邦検事のジャニーン・ピロはXへの投稿で、FRBの内部監査機関が工事費を精査する役割を担うことになったため、パウエルとFRBに対する捜査を終了するよう自身の事務所に指示したと述べた。

ピロはまた、「事実が刑事捜査の再開を正当化するのであれば、そうすることに躊躇はない」とも付け加えている。

今回の捜査の焦点はFRB本部2棟の改修工事にあった。FRB側は、これらの2棟は1930年代の建設以来1度も改修されておらず、費用が当初見積もりの19億ドル(約3021億円。1ドル=159円換算)から約25億ドル(約3975億円)まで膨らんだと説明している。

2021年に行われた以前の監査では改修工事における不正の証拠は見つかっていない。パウエルは2025年、トランプ政権からの圧力が強まる中、FRBの監察官に対して2度目の調査を行うようみずから要請していた。

これまで、上院におけるウォーシュの指名承認は同捜査が継続していることを理由に停滞していた。共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州選出)はこの捜査を「でっち上げ」だと非難し、捜査が打ち切られるまではウォーシュの承認を支持しない意向を表明していた。現時点で、採決の具体的なスケジュールはまだ設定されていない。

司法省は1月にパウエルとFRBに対する捜査を開始し、改修工事において財政上の管理ミスがあったとして両者を非難した。この動きは、トランプによるパウエルへの攻撃を示す最新の事例であり、トランプは一連の疑惑を盾にパウエルを解任すると何度も脅してきた。2025年に改修現場で行われた激しい会談の際、トランプは工事費用の見積もりが「約31億ドル(約4929億円)」にまで達しているとしてパウエルを追及したが、パウエルはトランプがその金額を過大に述べていると反論した。

先週、トランプはパウエルが職を去らなければ「解任せざるを得ない」と述べ、これまでそうすることを「控えてきた」のだと主張した。一方のパウエルはこれらの主張を否定しつつ、法の支配を尊重すると述べ、今回の捜査は「前例のないもの」であり、トランプ政権は金利を引き下げるようFRBに圧力をかけていると非難している。

ウォーシュの指名が承認されれば、彼は史上最も裕福なFRB議長となる見通しだ。ウォーシュが4月初めに開示した保有資産は約1億3100万ドル(約208億円)から2億900万ドル(約332億円)にのぼる。パウエルは、2025年に史上最高額となる7500万ドル(約119億円)の資産を公表し、少なくとも1948年以降で最も裕福な議長と目されていたが、ウォーシュの資産額はそのパウエルの資産額をも大きく上回っている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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