経営・戦略

2026.04.25 02:06

文化変革を成功に導くために──リーダーが知るべき課題と対処法

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企業文化の変革に取り組む以上、道中でいくつもの障害に直面するのはほぼ確実である。ここでは、よくある課題と解決策を挙げる。

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人を同じ方向にそろえる

とりわけ経営陣や管理職にとって最大の課題は、チームメンバーの行動がそろっていない状態を許容してしまうことだ。残念ながら、場合によってはその人に退職してもらう以外に解決策がないこともある。さらに厄介なのは、経営幹部や管理職がCEOの見えないところでCEOの取り組みを妨害しているケースだ。本人がそれに気づけないこともある。これに対処するため、変革の取り組みが組織全体へどう波及しているかを追跡する仕組みを導入することを勧めたい。

経営層では、強い個性を持つ人々に、自分の部門や責任範囲を超えて全体像を見るよう促すのは容易ではない。目標は、そうした傾向を協働へ向かうエネルギーに変えていくことである。

管理職層でよくある別の課題は、マネジメント研修を受けないまま管理職に昇進する人が少なくないことだ。新任管理職には、マネジメントスキルを明確に意識したトレーニングが必要である。

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中核人材に関しては、これまで裁量が大きく「好きにやってよい」とされてきた従業員の足並みをそろえることが課題になりやすい。このような場合、基準が変わることを明確に伝えることが極めて重要だ。

どの階層でも、行動が企業の価値観と一致しない場合には、非常に難しい対話をしなければならないことがある。こうした対話は、価値観に立ち返ることでむしろ進めやすくなる。人そのものと行動を切り分けられるからだ。学び、成長する機会を提示する。これは恥をかかせることでも罰でもなく、継続的改善のためである。

環境要因

人は習慣の生き物だ。新しい役割、責任、やり方を与えられても、古いやり方に戻りがちである。新しい組織構造やプロセスに慣れるまでの時間を与える必要がある。また、すべての変更を一度に実行できないことも忘れてはならない。人はそれほど多くの変化を同時に吸収できない。診断結果に立ち返り、前進を促す最大のレバーが何かを特定せよ。

意思決定では、多様な視点を取り入れることが難しい場合がある。CEOは往々にして、自分と同じように世界を見ている人のアイデアを受け入れるほうが楽だ。しかし課題は、自分と似ていない人、自分とは違う考え方をする人の視点にも耳を傾けることである。

リーダーは、必要な人に意思決定権限を委譲できているかも確かめなければならない。部門や拠点、チームの運営を任せたいのに、必要な意思決定権が与えられていないのなら、その人を失敗するように仕向けているのと同じだ。そして意思決定を任せるなら、その決定に必要な情報、能力、知識も備わっていることを担保しなければならない。

コミュニケーションにおける大きな障害の1つは、多くの人が「聞く」より「話す」ことに偏りがちな点である。効果的なコミュニケーションとは、効果的に聞くことでもある。加えて、非公式なコミュニケーション経路、つまり「うわさで伝わる情報」も考慮する必要がある。1つの戦略は、人に知ってほしい情報をその経路に流し、そのうえで適切なタイミングで正式に伝えることだ。さらに、難しい内容を伝える必要があるときは、結論だけでなく、より重要な「なぜその判断に至ったのか」を伝えることだ。理由が理解できれば、たとえ気に入らない決定でも支持されやすい。とりわけ、思いやりをもって伝えられる場合はなおさらである。

報酬制度について言えば、CEOは外的報酬(給与、ボーナス、福利厚生など)にのみ焦点を当てがちだが、金額を増やしても努力が増えるとは限らない。動機づけは、承認、成長、昇進といった内的要因から生まれる。最終的に、健全な報酬制度の核心は公平性である。何を評価しているのかを明確に定義し、誰が報酬を得たのかが一目で分かる状態にすることが最善だ。

最後に、従業員育成への投資では、適切な育成に焦点を当てていることを確認したい。もちろん、同じ会社で全員がリーダーになれるだけのポジションがあるわけではない。それでも、マネジメントに関心のない人のためのキャリアパスは必要である。自分の仕事ができる人が、必ずしも人を管理したいとは限らないのだから。

forbes.com 原文

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