経済

2026.05.22 14:15

和歌山市の漁師町の挑戦 ポテンシャル止まりで終わらせない~後編~

雑賀崎・田野の街並み 写真=山口真一

一方で、冨山は楽観的だ。この地区を静岡県の熱海になぞらえ、「熱海は東京まで一時間の距離で食べ物も美味しく、温泉もあって、かつてあった廃墟もなくなりました。大阪から考えれば、この地区は距離も魅力も熱海と似ている。空き家も多く、改装すれば、若い人たちが住みだすのではないかと思う。それに、観光業はAIやITと親和性が高い、2次交通の問題もある程度の環境整備は必要だが、AIが最適な解を出してくれる」という。

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問われるのは「最初の一歩」

プロジェクトはこれから動き出していく。手順とすれば、DMO的に縦割り組織に横串を通していくようなコーディネーターを中心に環境整備を行い、そこに地域にコミットした人と資金を投じられる担い手を見つけ、その人を中心にコーディネーションしていく。そこから先は、ポテンシャルがあるのだから、自然に人が集まってくるはずだ。

「故郷ということもありますが、市内から車で20分ほど。くどいようですが格好のエリアだと思います。うちの会社は南紀エリアが中心ですが、関わるチャンスがあればいいと思う」と、冨山をそう思わせるほどポテンシャルの高い地域だ。

食もあり、景観もよく、何より市街地から近い。歯車が少しかみ合うだけで、街は想像以上に変わるはず。ただ、さび付いた歯車は最初の一押しがいちばん重い。この一押しを、いかに覚悟を持って踏み出せるか。それが、雑賀崎・田野地区の未来を決める。

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文=古賀寛明 編集=川上みなみ 写真=加藤史人

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