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2026.05.03 13:30

傍流で培った「グローバル化への道」

宇田川 南欧|バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長

この危機を乗り越えるべく、同社グループ全体で本格的に始動したのが「IP軸戦略」だった。「ガンダム」「パックマン」といった自社IPから、「ドラゴンボール」「ワンピース」など他社の有力IPまで、あらゆる知的財産を軸に、ゲーム、玩具、映像といった事業の垣根を越えて連携し価値を最大化させる戦略である。宇田川もその中核を担ったひとり。ユーザーの主戦場がフィーチャーフォン(ガラケー)からスマートフォンへと移行する時代の転換点を的確にとらえたコンテンツ設計を行い成長させた。

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15年に社名変更したバンダイナムコエンターテインメントでは、スマホゲーム・オンラインゲームなどのネットワークコンテンツの企画・開発・運営を行うNE本部長として女性初の取締役に抜てきされ、23年4月には同社の代表取締役社長に。24年3月期決算ではホールディングスの通期連結売上高が1兆502億円となり、初めて1兆円を突破した。バンダイナムコエンターテインメント単体でも、25年3月期決算で過去最高業績を達成した。

組織のトップに立った今、宇田川自身が役員たちに求めるのも、かつて自分が育てられた土壌と同じ「多様性」だ。「いろいろな意見があることが会社にとっては有益なはず。その意味では、私が女性であることも、マイナスではなくプラスだったんじゃないかなと。消費者は男性・女性ともに幅広いですからね」。多様性の推進は、グローバルにIP展開を進める同社にとってもプラスになる。

「国や地域も、言葉も、関心も違う、世界中の人々が自社のターゲットとなる今、『〇〇じゃなきゃいけない』という固定観念は通用しない。業界全体で、多様な意見があることがより望まれていると思います」

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うだがわ・なお◎1994年バンダイ入社。バンダイネットワークスのコンテンツ事業部マネージャーなどを経て2014年に同社執行役員に。15年にバンダイナムコエンターテインメント取締役、21年BANDAI SPIRITS社長に就任したのち、23年から現職。

文=堤 美佳子 写真=若原瑞昌

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