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2026.05.02 12:30

製造業の暗黙知をAIでデータ化する リーナー大平裕介が狙う調達のデジタル化

川野真太郎|GMO VenturePartners(写真左)・大平裕介|Leaner Technologies(同右)

川野真太郎|GMO VenturePartners(写真左)・大平裕介|Leaner Technologies(同右)

大平裕介は2019年2月、Leaner Technologies(以下、リーナー)を創業した。同社は、「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに、企業の調達・購買業務を高度化するAI・DX推進サービスを展開。見積依頼から仕入先選定までのプロセスをデジタル化する「リーナー見積」、商品選定から発注、承認、検収に至るまでの購買業務を一元化する「リーナー購買」を主軸として、製造業を中心に導入が進んでいる。

GMO VenturePartnersの川野真太郎は、リーナーが総額約15億円を調達した24年10月のシリーズBラウンドに参画した。その理由とは。


川野:投資した理由のひとつはテーマ性です。GMO VenturePartnersは、フィンテック分野にフォーカスしているVC。日本のBtoB基幹産業領域において、フィンテックは確実に浸透していくという仮説をもっていました。特に日本が金利ある世界に移行し、中小サプライヤーの運転資金コストが顕在化しつつあります。調達にかかわる取引データを保有するリーナーは、与信や決済などの金融機能を提供していくうえで極めて良いポジションにいると考えました。

大平:シリーズBのタイミングで私たちにとって課題だったのは、調達部門の見積もり業務の電子化からプロダクトの幅を広げ、顧客への価値提供を拡大すること。システム上で商品を購入する際には支払いが伴うため、フィンテック分野の相談を受けることが増えていて、それでGMO Venture Partnersに相談したんです。そのミーティングで、格の違いを見せつけられたと感じるほど多くの気づきを与えてもらい、「仲間に引き入れたい」と直感しました。

川野:もうひとつの投資した理由は、事業戦略と組織戦略が高度に合致している点です。BtoB事業はセールスの重要度が大きいですが、リーナーでは熱量の高いメンバーが顧客貢献のために並々ならぬ気概をもって取り組んでいます。事業計画を営業体制の拡張を起点に設計している点もユニークです。人材を短期的に入れ替える発想ではなく、長期的に定着・成長する前提が徹底されています。

大平:私たちのお客様である調達部門の方々は、特定の資材の買い付けに長い年月を注いでいて、専門性の高い仕事をしています。そして、人材の流動性が低い領域です。そのため、調達を刷新するためには、私たちがこの領域にどっぷり漬かり、お客様から学びながら時間をかけて理解を深めていくしかない。だからこそ高い熱量で長く働ける組織づくりに注力しています。

川野:投資して以降、大平さんとは長い目線の問いを立てるディスカッションを意識的に行っています。特に調達領域の法改正が相次ぐ今、経験豊富な調達担当者が個人の努力でキャッチアップし続けるのは限界があります。リーナーがサプライヤーの情報管理や支払いに関わるバリューチェーンの下流までカバーできるようになれば、大きな価値を生むと感じています。

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文=眞鍋 武 写真=平岩 享

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私がこの起業家に投資した理由

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