国内

2026.05.02 12:30

製造業の暗黙知をAIでデータ化する リーナー大平裕介が狙う調達のデジタル化

川野真太郎|GMO VenturePartners(写真左)・大平裕介|Leaner Technologies(同右)

大平:例えば、この1月に施行された中小受託取引適正化法では、公正かつ透明性の高い取引の維持を図るため、すべての価格交渉の記録を残すことが求められるようになり、現場には多大な負荷がかかっています。「リーナー見積」を使えば、コミュニケーションログが自動的に溜まり、適法性の担保に直結します。また支払い業務でも、調達部門では発注書・納品物・請求書の内容が合致しているかを確認する膨大な検収作業が発生しています。こうした作業をデジタル化してゼロに近づけ、調達担当者が「良いモノを買い、良いものづくりにつなげる」という本来の仕事に注力できるようにすることが私たちの役割です。

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それから、AIはリーナーにとって強烈な追い風です。調達部門が最も必要とする「専門性の高い資材の価格交渉のポイント」「最適なサプライヤー選定」といった情報はインターネットには載っていないため、汎用AIでは対応できない。私たちは、この暗黙知をデータ化する役割を担っているからこそ勝機がある。例えば、「いりごまを10t調達してほしい」。 若手社員がそう命じられたとき、立ち尽くすほかない現実がある。現在、日本のものづくりを支えるのは、熟練担当者の頭の中にのみ存在する「暗黙知」です。私たちは、このブラックボックス化された調達領域に風穴を開けるべく、最適な意思決定を支える「調達AIインフラ」を展開している。30年までに各プロダクトを売り上げ100億円規模へと成長させ、日本の調達のあり方そのものを刷新したい。

川野:調達は表に出にくい領域ですが、深掘りすると経営の根幹に触れる非常にドラマがある世界。これからの飛躍に伴走していくことが楽しみです。


かわの・しんたろう◎人材支援のスローガンで採用支援業務に従事。営業責任者、本社執行役員、グループ会社取締役を務める。シンガポール系VCのREAPRA Venturesへの出向を経て、2020年にGMO VenturePartnersに参画。国内投資実行・支援を担当。(写真左)

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おおひら・ゆうすけ◎慶應義塾大学卒業後、A.T.カーニーに入社。コンサルタントとして、大企業の調達改革、事業戦略策定などに従事し、当時最速でアソシエイトに就任。2019年2月にLeaner Technologiesを創業、代表取締役CEOに就任した。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

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