扱いにくい技術?
さらに、PCMagに掲載されたユーザーレビューでは、ライターのルーベン・チルチェリがOpenClawの致命的な弱点をいくつか指摘している。
まずはセットアップの問題だ。
「ChatGPT Agentなら、デスクトップでもモバイル端末でも簡単に有効化して、レシピを探してもらい、必要な食材をInstacartのカートに追加させることができます」とチルチェリは書いている。「しかし同じことをOpenClawでやろうとすると、まずインストールし、使いたいLLM(大規模言語モデル)のAPIキーを取得して入力し、ウェブブラウザーを操作するためのスキルをインストールし、OpenClawのインスタンスを起動してから、ようやく同じ指示を出すことになります。しかもモデルの選択や使用量の制限次第では、実際に動かすためにさらに調整が必要になることもあります」。
ソフトウェアの守備範囲が広すぎること自体が、扱いにくさにつながっていると彼は指摘する。
「複雑さそのものはそれほど気になりません」と彼は付け加える。「しかし、OpenClawの全般的な煩雑さには最初からうんざりさせられました。セットアップガイドは助けにはなりますが、特定のプロジェクト向けにOpenClawをどう設定すべきかまでは必ずしもカバーしていません」。
セキュリティに関しても、チルチェリは先述のMetaの担当者がメールを失った事例を引き合いに出した上で、自身のやり方と、ほかのユーザーがOpenClawを使った場合に起こりうる事態との違いを明確にしている。
「私はセキュリティ上の問題を避けるため、専用のマシンでOpenClawを実行し、重要なアカウントは一切使いませんでした。しかし、皆にその余裕があるとは限りません」と彼は書いている。「そして、個人用のPCで動かしたり、本当に大事なアカウントと組み合わせて使ったりすれば、事態はあっという間にひどい方向へ進む危険があります」。
そして、彼の最後の指摘は、筆者自身もほかの場所で見聞きしてきた問題と重なる。チルチェリはこう説明する。
「OpenClawを安く使う方法を見つけ、セットアップを終え、セキュリティ上の懸念にも対処できたとしても、それだけの手間に見合う十分なユースケース(活用場面)がなければ意味がありません」。彼は、結局のところ多くのユーザーがOpenClawを基幹的な用途ではなく、「ニッチ」な用途に使っていると指摘している。
筆者はさらに踏み込んで言いたい。そもそもOpenClawに何をさせればいいのかを必死に考えているユーザーの話も聞いている。この強力なニューラルネットの能力を目の前にしながら、何も任せるものが思いつかないという、ある種奇妙なライターズブロック(創作上の行き詰まり)のような状態だ。
何をするにせよ、この技術への理解が深まるまでは、OpenClawは必ず限定的かつ機密情報を含まない環境で実行していただきたい。続報を待とう。


