ヒューマノイド(人型ロボット)市場が過熱する中、部品需要の急増がサプライヤーにとってのゴールドラッシュを引き起こしている。ロボットの関節部品、業界用語でいう波動歯車装置を製造する上海上場企業Leader Harmonious Drive Systems(リーダー・ハーモニアス・ドライブ・システムズ、以下リーダードライブ)の株価は、販売好調を背景にこの1年で40%上昇した(波動歯車装置は動力を精密に減速して伝える歯車装置を指す。ハーモニック・ドライブ・システムズが商標を持つハーモニックドライブが広く知られている)。
この急騰により、新たに2人のビリオネアが誕生した。創業者で董事長(会長)の左昱昱(ズオ・ユーユー、56歳)と、兄で副董事長の左晶(ズオ・ジン、61歳)である。米国時間4月23日の終値203.8元(約4687円。1元=23円換算)に基づくと、それぞれ17%の株式を保有する兄弟の資産は各10億ドル(約1590億円。1ドル=159円換算)に達する。
リーダードライブの通称でも知られる同社は、江蘇省蘇州に本社を置き、2011年に昱昱が設立した。ロボット向けの手頃な部品を作るという使命を掲げて創業した同社は、現在、ロボットの関節として機能する波動歯車装置で中国最大級の市場シェアを持つメーカーとなっている。J.P.モルガンによると、リーダードライブの国内顧客にはヒューマノイド大手のUBTech Robotics(ユービーテック・ロボティクス)やAgibot(アジボット)が含まれる。
また、テスラやエヌビディアが出資するFigure AI(フィギュアAI)からの少量の研究開発向け注文にも対応してきたと、J.P.モルガンは述べている。リーダードライブは顧客名を公開しておらず、兄弟の資産額に関するコメントの要請にも応じなかった。
J.P.モルガンは3月のリポートで、リーダードライブの中国における波動歯車装置市場シェアを30%〜40%と推定している。同社はロータリーアクチュエータ(回転式駆動装置)など他の部品も製造している。ロータリーアクチュエータは電気信号を運動に変換する「筋肉」の役割を果たす部品で、半導体製造装置から医療機器まで幅広い用途に使われている。
2025年、リーダードライブの純利益は前年比2倍超の1億2440万元(約29億円)に達し、売上高は47%増の5億7070万元(約131億円)となった。同社はこの成長を、産業用ロボットおよびヒューマノイド市場の活況によるものとしている。同セグメント向け部品が売上高の74%を占めた。機械装置向けが全売上高の約5分の1を占め、残りはCNC工作機械(コンピューター数値制御工作機械)および医療機器向けの部品であった。



