北米

2026.04.24 14:30

「トランプ・ゴールドカード」ビザは失敗か? 100万ドルの永住権、承認は1人だけ

米大統領執務室に展示された「トランプ・ゴールドカード」の見本。2025年9月19日撮影(Demetrius Freeman/The Washington Post via Getty Images)

米大統領執務室に展示された「トランプ・ゴールドカード」の見本。2025年9月19日撮影(Demetrius Freeman/The Washington Post via Getty Images)

ハワード・ラトニック米商務長官は23日、外国人に100万ドル(約1億6000万円)の支払いと引き換えに米国の永住権を認める新たなビザ(査証)「トランプ・ゴールドカード」について、これまでに取得が承認されたのは1人だと米議会公聴会で証言した。これは、米政府が先に13億ドル(約2000億円)相当のゴールドカード・ビザを「販売」したと発表していたことと矛盾する。

ラトニックは下院歳出委員会で、商務省の2027会計年度予算要求について証言する中でゴールドカードに言及。国土安全保障省が「最近1人を承認し、数百人が審査の順番待ちをしている」と述べた。

しかし、ラトニックは昨年12月の記者会見でトランプ大統領と並んでゴールドカードをアピールした際、わずか数日間で13億ドル相当のゴールドカード・ビザを「販売した」と語っていた。

23日の公聴会でラトニックは、ビザのプログラムが新設されたばかりで手続きに遅れが生じていると示唆。「このプロセスは最近、プログラムを運営する国土安全保障省との間で解決に至った」「政府の歴史上、あらゆる申請の可能性に対して最も厳格な審査と分析を行っている」と説明した。

トランプ政権は昨年12月に同プログラムの申請受付を開始した。申請者は1万5000ドル(約240万円)の手数料を国土安全保障省に支払い、さらに商務省に100万ドルの寄付を行うことで、合法的な米国居住資格を取得するための手続きを迅速に受けられる。

また、企業がスポンサーとなって米国に呼び寄せたい外国人労働者を推薦する「トランプ・コーポレート・ゴールドカード」プログラムもあり、こちらは1万5000ドルの手数料と200万ドル(約3億2000万円)の寄付に加え、年間維持費と移管手数料がかかる。

ゴールドカードを取得した人物は何者か?

米ブルームバーグは先月、カリフォルニア州に拠点を置くネットワーク機器メーカー、TP-Link Systemsの中国人創業者ジェフリー・チャオがゴールドカード・プログラムへの申請を行ったと、匿名の情報筋を引用して報じた。ブルームバーグによると、同社には中国とのつながりに絡んだ国家安全保障上の懸念があることから、商務省は同社を調査しているという。フォーブスは同社に取材を申し込んでいる。

ゴールドカードは訴訟にも直面

昨年9月に大統領令によって創設されたトランプ・ゴールドカード・プログラムは、申請が承認されると「EB-1」ビザか「EB-2」ビザが付与される。EB-1は「並外れた能力」を有する移民に、EB-2は「特に優れた能力」を持つ移民に発給されるビザで、全ビザ発行数の一定割合を上限として毎年割り当てられる。

ゴールドカード・プログラムは複数の訴訟に直面している。米紙ニューヨーク・タイムズの報道によれば2月、同プログラムは「知性や能力よりも富を優先している」として移民らでつくる原告団が運用差し止めを求めてトランプ政権を提訴。今月初めには、政府監視団体がトランプ政権に対し、同プログラムに関連する情報公開を求める訴訟を起こした。原告団に加わっている公益法律事務所フリー・インフォメーション・グループの共同創設者で弁護士のケビン・ベルは声明で、連邦政府がビザを「100万ドルのマールアラーゴ会員権」のように扱っていると非難している。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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