マーケティング

2026.04.24 10:52

20人のリーダーが語る「リスクを取ったブランディング」成功の決め手

ブランドとは、ロゴやタグラインだけではない。企業が「自社は何者か」「何を重んじるのか」「誰のための存在か」について発するシグナルの総体である。だからこそ、大胆なブランディングの一手は、とりわけ慣習を破ったり、あえて訴求対象を絞り込んだりする場合には、リスクに感じられることがある。

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それでも、適切なブランディングの意思決定は、信頼をより深め、オーディエンスとのつながりを強め、企業の長期的な方向性を形づくる。以下では、Forbes Business Councilのメンバーが、当時はリスキーに思えたものの、結果として自社の歩みを決定づけることになったブランディング上の決断を共有する。

1. ブランドを「目的」に根ざしたものとして確立する

大胆な決断の1つは、多くの人がより安全なポジショニングを勧めるなか、私のブランドを「目的」と「インパクト」に、ためらいなく根ざしたものとして打ち出したことだ。リスキーに感じたが、オーセンティシティ(真正性)が信頼を生み、深く忠実なコミュニティが築かれた。オーディエンスは誠実さを感じ取るのだと学んだ。タイミングも重要だが、それ以上に勇気が重要である。メッセージが真実であるなら、正しい人々が共に成長していく。 - Prof. Dr. Anabel von Preußen - Ternès von HattburgLaVivee

2. メッセージを「価値」と「仕組み」に集中させる

私は、幅広く成長を志向するメッセージから、「価値」「仕組み」「エグジット準備」に焦点を当てたメッセージへと意図的に転換した。これにより対象となるオーディエンスは狭まり、誤った顧客がふるい落とされた。信頼は明確さから生まれ、タイミングは信念に報い、ロイヤルティは、誰彼構わずではなく、本気で取り組むオペレーターに向けてメッセージが直接語りかけるときに築かれるのだと学んだ。 - Joe CarterTwin Flame Group TX

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3. AI企業として「人間を優先する」

私は、導入支援、コンサルティング、AIスキル向上を扱うAI企業を運営している。自身のブランドの大きな柱の1つは、人間を第一に置くことだ。私たちは機械に置き換えられるのではなく、機械と共に働くべきだと考えている。これはシリコンバレー、そしてAI領域全般では、かなり物議を醸す立場でもあるが、私はこの姿勢を貫く。人間性を第一に。常に。 - Edward MorrisEnigmatica

4. 混乱の時代に一貫性を保つ

常にリスクを伴ってきたことであり、今なおそうであるのが、激動の時期に自らの道を守るという発想だ。近ごろは、誰もがポジショニングやプラットフォーム、ビジュアルアイデンティティを変えたがる。しかし自分の信じるものを貫く勇気こそ、ときに最もリスキーな一手になり得る。 - Bruno CosentinoABInBev

5. ロックダウン直前にローンチする

私たちのブランドの軌跡を決定づけたリスクの1つは、国内が新型コロナのロックダウンに入るわずか1週間前にローンチしたことだった。すぐに方向転換し、マーケティング戦略を全面的に見直す必要があった。売上を押し出すのではなく、信頼と認知を築くために、ブランドの誠実さとPRに注力した。タイミングは予測不能になり得るが、オーディエンスからの認知に投資することは、長期的には報われ得るのだと学んだ。 - Claire Ross-BrownCRB Enterprises

6. 倫理に反する買収から手を引く

2018年、私たちはある買収から撤退した。その取引はビジネスとしては理にかなっていたが、相手企業のデータが、人々の知らないうちに郵便受けから収集されたものだった。私はそれを顧客の前で正当化し、目を見て説明することができなかった。その収益に「ノー」と言うのは、とりわけ初期にはリスキーに感じたが、それが会社の軌跡を固めた。信頼はタグラインではない。誰も見ていないときに下す、あらゆる意思決定の積み重ねである。 - Mark Briggs、Validity

7. パーソナルブランドを再構築する

リブランディングとはマーケティングではなく、アイデンティティである。53歳で「アメリカンドリーム」を築いた後、私は自分がズレていると気づいた。私はそこから離れ、立て直し、新たな章を書き始めた。リスキーに見えたが、そうではなかった。本当のKPIは、妥協を拒むことだった。ブランドが自分の能力をもはや反映しないなら、それは時代遅れである。常識的であることは何も解決しないのだから、反映するブランドを築け。 - Charlie PowellSolo Vive

8. 大胆なパッケージ変更を行う

食品ブランドのパッケージを黄色から黒に変えたとき、私は非常に不安だった。デザイナーを含む多くのチームメンバーは、黒は食品パッケージに適した色ではないと助言したが、私は大胆な一歩を踏み出し、実行した。ブランドは今やより人気になり、パッケージのおかげで際立ち、顧客は今でも私たちの商品を愛し、購入している。このリスクは売上に悪影響を与えなかった。 - Bikash NepalNepal Foods

9. AI自動化に早期から舵を切る

私たちは、汎用的な画像ソフトではなく、AI駆動の自動化に早期から注力した。リスキーに感じたが、私たちの価値が明確になり、適切な顧客を引き寄せた。また、明確なポジショニングが信頼を築き、正しいオーディエンスは慎重さよりも信念に反応する、という考えを補強した。 - Asaad HakeemSARC MedIQ Inc.

10. プレミアム限定のブランドポジショニングを選ぶ

インドネシアでKomodo Luxuryをプレミアム限定のヨットチャーターとして位置づけたのは、市場が量を評価する状況ではリスキーに感じた。私たちは基準に合わない予約を断った。不快でもあったが、割引よりも独自性を重んじる顧客との信頼を築いた。教訓は、ロイヤルティは誰もが喜ぶように振る舞って得るものではなく、少数しか約束できない約束を果たすことで勝ち取るものだ、ということだ。 - Agung AfifKomodo Luxury

11. 当初の提供範囲を超えて拡大する

今年初めにリスキーに感じたブランディング上の決断の1つは、OneClickDriveをレンタルの枠を超えて拡大したことだ。私たちは、ディーラーと個人売主の双方を掲載して自動車販売にもプラットフォームを開放した。これにより人々の私たちに対する認識が変わっただけでなく、タイミングが適切で、オーディエンスがすでにプラットフォームを信頼しているときには、彼らは共に成長することをいとわないのだと示した。 - Mahesh PagaraniOneClickDrive

12. 統一されたマスターブランドをつくる

私たちが行った最も大胆なブランディング上の決断の1つは、複数のアイデンティティを単一ブランド「OIP Insurtech」の下に統合したことだ。これは同時に、Bound AIを独自のプロダクトブランドとしてローンチしている最中に起きた。どうやらタイミングは理想的で、顧客は新たなポジショニングが、私たちがすでに行っている仕事を反映していると感じた。リブランディングによって、私たちのストーリーがより明確になっただけである。 - Martina SeferovicOIP Insurtech

13. 事業名を変更する

社名をBerenji & AssociatesからBerenji Divorce & Family Law Groupに変えたのはリスキーに感じた。1人の名前から集合的なアイデンティティへと焦点が移ったが、より深い信頼が築かれた。顧客が選ぶのは1人ではなくチームである。タイミングも重要だが、明確さがロイヤルティを築くのだと学んだ。 - Hossein BerenjiBerenji Divorce & Family Law Group

14. 真の強みを反映するよう、アイデンティティの整合を取り直す

私たちの最も大胆なブランディングの転換は、「プロダクト企業」から「プロダクト・エンジニアリングのパートナー」へと移り、それに沿ってリブランディングしたことだ。私たちは顧客の成果を中心に据え、プロダクト志向のチームという真の強みと、強い市場需要に合わせてアイデンティティを整えた。ブランディングが真の能力を反映すると、文化が築かれ、顧客が戻ってくる信頼が生まれることが証明された。 - Manoj BalrajExperion Technologies

15. 対等な立場のブランドとして位置づける

私たちは最近、サービスを売り込むことよりも現実の経営課題を優先する同業者メンタリンググループに参加し、対等な立場の存在として自らを位置づけた。ガードレールを下げることは居心地が悪く、危険にも思えたが、自分の課題について正直であるほど信頼は加速するのだと学んだ。ロイヤルティは、売り込みをしていないときでさえ、相手が自分のコミットメントを理解したときに得られる。 - Mike McIsaac CPA, CABaker Tilly Canada Capital Corporation

16. 洗練より明確さを選ぶ

リスキーなブランディングの決断の1つは、企業的な「整った」表現よりも明確さを選んだことだ。過度に形式張った語り口ではなく、医療現場の現実的な課題について、より率直に語った。大胆に感じたが、それが差別化につながった。タイミングが適切で、メッセージが正直に感じられ、オーディエンスが本当に理解されていると感じるとき、信頼は育つのだと学んだ。 - Dr. Alena FuchsRPSP Healthcare Consulting Group

17. 創業者の物語を語る

あらゆる創業者にとって最も戦略的なブランドポジショニングは、自分の物語を語ることだ。それは本質的にリスキーである。脆さを見せることは、顧客基盤における不一致をふるい落としてしまうからだ。しかし、その見返りに、はるかに強力なものをもたらす。オーディエンスとの共鳴である。真正なストーリーテリングとは、オーディエンスが抱える問題のうち、自分の生きた経験と一致するものを理解することにほかならない。 - Joanna Horton McPhersonJoanna Horton McPherson

18. プロダクトを再構築する

私の最も決定的でリスキーな意思決定の1つは、Pipeliner CRMを作り直したことだ。基盤となるテクノロジーが時代遅れになったとき、私たちは、顧客が頼りにするインターフェースを維持しつつ、プラットフォームを再構築することを選んだ。時間とリソースの両面で何年にもわたる投資を要したが、長期的な成功に向けた位置づけとなり、顧客のロイヤルティは継続的に獲得し続けなければならない、という重要な教訓を改めて強化した。 - Nikolaus KimlaPipeliner CRM

19. ホワイトラベリングを活用する

ホワイトラベリングを活用することで、私たちは大きな開発オーバーヘッドを負うことなく、急速にスケールし、プロダクトポートフォリオを拡充できた。同時に、競合相手も含めた戦略的パートナーシップの形成が、強力な成長レバーになり得ることも証明された。こうした協業は、能力の共有を解き放ち、市場へのアクセスを広げ、相互に利益となる機会を生み出す。 - Salman AltafSignage.com

20. 完全自律ツールを避ける

競合他社は「完全自律型AI」を売り文句にした。投資家もそれを聞きたがったが、私たちはノーと言った。私たちのプロダクトはエンジニアを補強するのであって、置き換えるものではない。研究によれば、自律型AIの成功率は、ハイブリッドな人間-AIチームより32.5%から49.5%低いことが示されている。私たちを見つけた顧客は、成果を出せない自律型ツールに痛い目を見ていた。現実の課題を解決することと、誠実さを組み合わせることが、私たちの最良のポジショニングを成す。 - Long YiIncidentFox

forbes.com 原文

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