米国のテレビ文化を牽引してきた3大ネットワークの朝の情報番組、夕方のニュース、深夜トーク番組の視聴者数が、この10年間でほぼ半減したことが明らかになった。米エンターテインメント情報誌ハリウッド・リポーターなど一部メディアは、ストリーミングやソーシャルメディアの普及でメディア業界の構造が一変する中、テレビが流行や文化を創出する「モノカルチャー(単一文化)」は明確に終焉を迎えたと論じている。
3大ネットワークの朝の情報番組、すなわちNBCテレビの『トゥデイ』、ABCテレビの『グッドモーニング・アメリカ』、CBSテレビの『CBSモーニングス』は、いずれもこの12年間で視聴者数が約半分まで落ち込んだ。
このうち『グッドモーニング・アメリカ』はいまだ最も高い人気を保っているが、2024~25年のテレビシーズンにおける平均視聴者数は260万人で、2015~16年シーズンの490万人から46%減少。『トゥデイ』の平均視聴者数は同期間に471万人から260万人へと45%減少し、『CBSモーニングス』は367万人から194万人へと47%の減少となった。
深夜帯の視聴者数をこの10年間で最も失ったのはNBCで、人気コメディアンのジミー・ファロンが司会を務めるトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』の平均視聴者数は、2015~16年シーズンの360万人から2025年には130万人へと64%も減少した。
ABCの長寿番組『ジミー・キンメル・ライブ!』は230万人から200万人へと10年間で視聴者の約13%を喪失。2015年にコメディアンのスティーヴン・コルベアが司会を引き継いだCBSの『ザ・レイト・ショー』は、初年の275万人から2025年には250万人へと9%減少し、深夜トーク番組の中では最も少ない減少幅にとどまった。
夕方~夜のニュース番組は、朝の情報番組や深夜トーク番組に比べればやや持ちこたえているものの、この10年間で『CBSイブニング・ニュース』は41%減、『NBCナイトリー・ニュース』は30%減と、いずれも劇的な視聴者数の減少に見舞われている。
モノカルチャーの時代は2014年に終わった?
ハリウッド・リポーターは今月18日付の記事で、2014年を「モノカルチャーが死んだ年」と位置づけた。モノカルチャーとは、一般大衆が共通する文化をより多く共有している社会の状態をいう。
同誌は、2014年の米アカデミー賞授賞式で司会のエレン・デジェネレスがブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、メリル・ストリープら十数人のトップスターたちとセルフィー(自撮り写真)を撮影・共有した瞬間を、視聴者層が修復不可能なまでに分断される前に真の意味で共有された最後のポップカルチャー(大衆文化)体験として挙げた。
現在、テレビ番組を本来の放送時間に視聴するリニア視聴者数は激減し、テレビ、ストリーミングサービス、ソーシャルメディアの間で視聴者の分散化が進んでいる。



