大きな数字を身近なものに結びつける
オリオン宇宙船は、高さ約98メートルのロケットの上に搭載されていた。一部の報道では「そびえ立つ」と表現された。しかし「そびえ立つ」とは実際にどういう意味だろうか。
NASAはデータを身近なものに結びつけることで、わかりやすくした。
NASAによると、SLSロケットは「高さ約98メートルで、自由の女神像よりも高い」という。
これは十分に適切な比較だが、聴衆の心を本当につかみたいなら、英BBCがある報道で行ったように、詳細をローカライズするとよい。自由の女神像との比較を使う代わりに、英国の視聴者向けにさらに工夫した。「アルテミス2はビッグベンとほぼ同じ高さだ」と。
聴衆が知っているランドマークを使うことで、ほぼどんな数字でも瞬時に記憶に残るものにできる。
速度と距離を人間の体験に置き換える
宇宙飛行士たちは想像を絶する速度で移動した。「想像を絶する」は印象的なものを表す良い言葉であり、多くの報道でこの表現が使われた。しかし、それでも記憶に残る具体性は提供されない。
NASAは速度と距離を、共感しやすい人間の体験に置き換えた。
たとえば、NASAによると、全行程で乗組員は約100万キロメートル以上を移動した。「これは米国を東海岸から西海岸まで200回以上横断するのに相当する」という。
彼らは最高時速約4万キロメートルを経験した。NASAの説明によれば、「この速度なら、ニューヨークからロサンゼルスまで6分以内で飛行できる」という。
数字だけでは人を説得できない。リーダーやコミュニケーターにとって重要なのは、数字を聴衆にとって瞬時に身近なものにすることだ。大きな数字を、忘れられないシンプルな概念へと翻訳せよ。そうすれば、彼らはあなたのことも忘れない。


