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2026.05.17 15:00

AIが解決できない教育の壁、グーグル幹部が語る「動機」の重要性

Bumble Dee - stock.adobe.com

「言語の最大のユースケースの1つは、ある意味で、情報を世代から次の世代へと伝播させ、これまで積み上げられてきたものの上に築くことにある」と彼は言う。「『巨人の肩の上に立つ』と言うが、それが文字通り起きる方法は、言語というプロセスを通じてだ」

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AIによって言語が道具としてついに「解き放たれた」とき――それはゴメス自身、生きているうちには起きないと思っていたことだという――教育への影響は巨大になった。「実際に自分の生涯で起きるとは思っていなかった。AIはそこまで到達しないように見えた。長い間到達していなかったからだ。40年、あるいはそれ以上の試行の末に」

いまそれは起きた。そしてゴメスは、教育こそが恐らく最も重大な応用領域だと見る。AIは事実上、何十年にもわたり機械の足かせだった言語の問題を突破した。だが彼は、教育における勝利宣言には慎重である。「私たちはまだ、いわば始まりにいる」と彼は私に語った。「複雑な道のりだ」

その慎重さの理由は、同じ場所へ何度も戻ってくる。言語は知識を運べるが、欲求は運べない。AIはいま、驚異的な流暢さで情報を伝達し、変換できる。だが、学生がそれを受け取りたいと思う理由までは伝えられない。

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ルネサンス型の学び手

AIが可能にするものと、AIには生み出せないもの。その区別が、これから学校が何を教えるべきかというゴメスの考え方を形づくっている。彼は、過度な専門分化の数十年を逆回転させつつあり、教育もそれに追いつく必要があると主張する。ただし、その転換が機能するのは、すでに学びたいと思っている学生に限られる。

例として彼が挙げたのは、Webエンジニアとデザイナーだ。「エンジニアでも、利用できるデザインツールがあるから、ある程度はデザインもできる」と彼は言う。「デザイナーも、ある程度はコーディングを始められる」

ただし彼は、メカニズムと概念を慎重に切り分けた。「言語のシンタックスの細部は、はるかに重要度が下がった。しかし、プログラミングの概念は依然として重要だ。どうやって物事をモジュールに分解するのか。インターフェースをどう考えるのか。抽象化のレベルをどう考えるのか」

これは学校教育の内容を変えるべきだと彼は言う。「教育システムは徐々に、何かをやるためのメカニズムよりも、その領域のより高次の概念理解を提供する方向へ進化する必要があると思う。何かをやるためのメカニズムは、ますます自動化されていくからだ」

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