食&酒

2026.04.25 15:15

NHK「ドキュメント72時間」で取り上げられた中華フードコート「友諠食府」はこんな店

4月17日に放送されたNHKの「ドキュメント72時間」という番組で取り上げられた東京・池袋の中華フードコート「友諠食府」

4月17日に放送されたNHKの「ドキュメント72時間」という番組で取り上げられた東京・池袋の中華フードコート「友諠食府」

先日、NHKの「ドキュメント72時間」という番組で、東京・池袋の中華フードコート「友諠食府」の様子が放送された。

同番組は「ファミレス、空港、居酒屋……。毎回、ひとつの現場にカメラを据え、そこで起きる様々な人間模様を72時間にわたって定点観測するドキュメンタリー番組。偶然出会った人たちの話に耳を傾け、“今”という時代」を切り取るという内容である。

筆者が、友諠食府について最初に書いたのは、もう5年ほど前のことだ。「現地感を味わえる中華料理のフードコートが人気。『旅ロス』が後押し」(2021年7月23日)というコラムだった。

筆者が運営するガチ中華を愛好するSNSコミュニティ「東京ディープチャイナ(TDC)」のウエブでも、友諠食府のレポートは何本も配信しており、このフードコートの各店で供するさまざまな料理の特徴や店主の顔ぶれについても紹介している。

友諠食府の各ブースの店主やスタッフ(2023年8月撮影)
友諠食府の各ブースの店主やスタッフ(2023年8月撮影)

同店を昔からよく知るTDCのグループの人たちの多くもNHKの番組を視たようで、「バンドの練習の帰りに寄った、立教大学の4人組は良かったな。(ガチ中華は)自分の舌が知っている味の幅からは外れた味だから、最初は? と思うけど、そのあと『ん、これもおいしいな』って思うという話、よくわかる気がする」などという感想を寄せたメンバーもいた。

確かに、この小さなフードコートは、観光地のようにつくられた異国感ではなく、日本に暮らす中国の人たちの生活を感じさせるリアルな空間である。そこは、海外を旅するような現地感が味わえるスポットでもあるのだ。今回はこのフードコートが出現したあらましについて簡単に紹介したい。

海外を旅しているような濃厚な現地感

友諠食府ができたのは、コロナ禍直前の2019年の冬のことだった。

初めてそこを訪れたときの驚きは、いまでも新鮮に残っている。JR池袋駅西口(北)出口を出てすぐ左手の、見た目からして相当怪しい雑居ビル入口から薄暗い通路の先のエレベーターで4階に上がると、突然視界に広がるのは、中国や台湾、香港の夜市や食堂街の一部を切り取って移植したような異国の空間だった。

そのうえ、鼻孔を突いたのは中国の香辛料や油のべとついた匂いで、目の前には中国や香港で訪ねたフードコート同様の雑然とした光景が広がっていた。それはこれまで日本国内で見かけたことのないものだった。

店を訪れた誰もがハッとして「ここはどこ?」と思うに違いない。筆者もまさにそうで、実を言えば、その後運営を始めたSNSグループの呼称を「東京ディープチャイナ研究会」としたのは、このスポットが出現した初期の場に立ち会った瞬間、「なんてディープなんだ……」という呟きが思わず口をついて出たからである。

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文=中村正人 写真=東京ディープチャイナ研究会(TDC)

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