テクノロジーと創造性の融合がもたらす差別化
クリエイティブ系のプロフェッショナルが、他との差別化を図る上で、ますます重要な役割を担うのがテクノロジーだ。また、明確な形でのイノベーションも生まれている。例えば、YouTubeやTikTokといったプラットフォームは、動画クリエイターに対して、自由に使える新たなフォーマットと、オーディエンスとつながる手軽な方法をもたらした。
自身の作品を磨き上げたり、マーケティングの手法を向上させたりするために、興味深い方法でAIツールを活用するクリエイターも多い。
生成AIツールが、アイデア出しの過程をいかに刷新したかを考えてみよう。以前であれば、ブレーンストーミングに何日も要していたものが、今ではわずか数分で、完全に作り上げられた草稿やコンセプト、ビジュアルを作り、それをたたき台にできる。
さらに、独立系の映画監督であれば、今ではAIを活用したツールを使って、実際のセットに赴く前に、すべてのシーンの絵コンテを作成することができる。グラフィックデザイナーであれば、生成AIのプラットフォームを活用して、以前であれば1枚を作成するのにかかった時間で、数十枚のデザイン案を検討できる。
ベストセラーを数多くプロデュースするゴールデン・ベストセラー・エンパイア(Golden Bestseller EMPIRE)の創業者で最高経営責任者(CEO)のグンディ・ガブリエルは、TEDの記事で、トップレベルのエキスパート向けに、AIを活用する画期的で秀逸な方法を解説している。その目的は、こうした人たちが持つ、唯一無二の創造のプロセスをAIで置き換えることではなく、彼らの作品をより多くの人に届け、発見されやすくすることだ。
「あなたの著書が適切に最適化されていて、AIが積極的に探しているトピックを話題にしているのなら、(アマゾンで使用されているAIツールの)RufusやAlexa(アレクサ)のようなAIツールに、自分の本を24時間365日宣伝させることも可能だ。これはすなわち、著作の売り込みを自動化するということだ。著書が最適化されていれば、読者がそのジャンルに関する有名な本を読み終えたタイミングで、あなたの本が『次のおすすめ』として提示される。そうなれば、認知度や売上は飛躍的に高まる」
「本の構成を考えている時でも、具体的で考え抜かれたプロンプトを使えば、構想中の本とベストセラーのあいだの意味的つながりのチェックや、両者をリンクさせる上で欠けているピースの特定に役立つ。プロンプトを活用して、AIが反応し、あなたの本を勧めてくれそうなフレーズを見つけ出そう」
米国で販売される書籍の数が、1年あたり約10億冊に達していることを考えると、作家が自分の本を読んでくれる読者を見つけるチャンスが数多くあることは間違いない。それなのに多くの作家は、著書が読者の目に触れる機会を作ることにすら苦労している。
だが、従来型のプロモーションの手法に頼るのではなく、AIを用いたプロモーション計画を採用している作家は、読み手が買いたいと思った、まさにその時に、作品を届けることができる立場を得られるはずだ。
そしてもちろん、クリエイティブ職に就く者の多くは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの没入型メディアも活用して、自らの創造性を増幅させ、自分の作品を世に広める画期的な方法を編み出している。そしてオーディエンスに、さらに深いレベルでのエンゲージメントを促している。


