Mediumに戻ると、イネスもこの目的でNotebookLMを使うことを強く勧めている。記事を無理に読もうとしなくても、添えられたビジュアルを見れば、その仕組みのおおよそのイメージをつかむことができる。
アーティストとしてのAI
長い間、作家は自作の挿絵を描いてもらうためにプロのアーティストを雇ってきた。今では、そのすべてをLLMに外注することもできる。AIは文章そのものも書ける。ただし、本は人間が書き、画像はGPTやほかのモデルに作らせたほうが、よりまとまりのある仕上がりになるかもしれない。
ここで指摘しておく価値があるのは、NotebookLMがRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成。外部の情報源からデータを取得し、それを基に回答を生成する技術)であるという点だ。つまり、入力データを取り込み、それを他のモデルでは対応しきれない形で成果物に変換する能力を持っているのだ。
なぜグラフィックノベルなのか
グラフィックノベルがなぜ広がってきたのかを説明する中で、United Through Readingは、従来の文字中心の小説に比べて視覚性の高いこのジャンルも、れっきとした「読書」だとして、次のように述べている。
「グラフィックノベルは文学の世界で過小評価されており、子ども向けの『コミック』や、文学的考察に値しない軽い読み物として退けられがちです。しかし、教育者、研究者、読者がその独自かつ深い利点を認識するにつれ、この認識は急速に変わりつつあります。単なる絵本とはほど遠く、グラフィックノベルは幅広い読者を引きつける豊かな読書体験を提供します。グラフィックノベルは読解力と語彙力を大きく向上させます。視覚とテキストを組み合わせたストーリーテリングは、読者が複雑な物語を読み解く助けとなります。さらに、読者はテキストと画像の両方から意味を推論する力を身につけていきます」
これらの著者によれば、グラフィックノベルは、従来型の方法を好まない生徒を読書の魅力へ引き寄せることができる。
著者たちはまた「研究によれば、グラフィックノベルは生徒の読解力を向上させることが示されています」と書いている。「たとえば、International Journal of Applied Linguistics and English Literature(応用言語学・英文学国際ジャーナル)に掲載されたある研究では、グラフィックノベルを読んだ生徒は、従来のテキストを読んだ生徒よりも読解テストで高い成績を収めました」
LLMを使ってこうした作品を制作することが学習者にどれほど前向きな影響を与えうるか、ぜひ考えてみてほしい。そして、今月初めに開催されたMIT(マサチューセッツ工科大学)のカンファレンスの見どころについては、筆者が引き続き紹介していく予定だ。


