北米

2026.04.23 11:00

カナダ航空各社が米国路線を削減 燃料費高騰と需要減で

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イラン情勢の悪化に伴うジェット燃料価格の高騰とカナダ人の米国旅行への関心の低下を受け、カナダの大手航空各社は米国路線の削減を余儀なくされている。燃料価格も旅行需要も近いうちに好転する兆しは見られない。

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英調査会社アーガス・メディアによると、航空会社の運営費の約4分の1を占めるジェット燃料は20日時点で1ガロン(約3.8リットル)当たり3.87ドルとなった。7週間前に米国とイスラエルがイランへの空爆を開始して以来、55%上昇している。

英航空調査会社シリウムのデータによると、1月上旬~4月中旬にかけての予約状況を昨年同時期と比較したところ、7月のカナダ発米国行きの航空券予約数は12%減少している。カナダ統計局によると、3月のカナダ発米国行きの航空旅客数は、2024年同月比で25%減少した。

カナダ航空最大手エア・カナダは17日、ジェット燃料費の高騰を理由に、モントリオールとトロント発ニューヨーク・ジョン・F・ケネディ国際空港行きの便の運航を5カ月間停止するとともに、トロント発ソルトレークシティー行きの便を2027年まで運休すると発表した。昨年、カナダと米国を結ぶ十数路線を廃止したカナダ第2の航空会社ウエストジェット航空は、今年も両国間の路線の削減を進めると発表した。英紙ガーディアンが引用した英航空情報分析企業OAGのデータによると、両国間を運航する航空会社は昨年3~10月にかけて合計32万席を削減している。

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シリウムのマイク・アーノットはフォーブスに対し、一般的に、定期便の削減は航空会社が最初に講じる措置ではないと語った。「便を削減すると、混雑した空港での発着枠(特定の航空会社に割り当てられた離着陸時間帯)を失う可能性がある」という。

発着枠は貴重な資産であり、航空会社間で売買や交換が行われることもある。したがって、路線を削減する前に、航空会社は需要を促すために運賃を引き下げるか、あるいは逆に費用を賄うために運賃を引き上げることが多い。次に取り得る手段は、燃費の良い航空機に切り替えることであり、「その後で初めて便数を削減することになる」とアーノットは説明した。フォーブスは減便の理由についてエア・カナダに取材を試みたが、回答は得られなかった。

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翻訳・編集=安藤清香

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