ウクライナ側にとって、これらの補給トラックを攻撃するのは砲兵部隊を見つけ出すよりもはるかに容易である。2次元空間を全面的に捜索していく代わりに、ウクライナ軍のドローンは道路の監視に集中すればよいからである。そのため、ウクライナ軍は火砲向け補給車両を狙った攻撃をますます強化しており、防御線から最大60kmほど後方で補給路を移動中の車両をたたいている。ドローンは路傍に着陸した状態で待機し、補給車両がやって来るまでバッテリーを温存する場合もある。車両が通過するとドローンは離陸して追尾し、通常は燃料タンクを狙って突っ込んでいく。
The 426th Unmanned Systems Regiment of the 30th Marine Corps used Bulava-type drones to strike Russian rear positions on the left bank of Kherson Oblast. A Russian Kamaz truck was destroyed over 70 km from the front line. #Ukraine pic.twitter.com/UF18CcCALr
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) April 9, 2026
こうした弾薬輸送トラックは予測可能な経路をとるだけでなく、それ自体、比較的攻撃しやすい目標でもある。まず重量が重く、装輪式でもあるので、ドローンを回避するため路外に逃れるような機動を簡単にこなすことができない。また、重積載なため、ヤマアラシ風やカメ形状のようなかさばる対ドローン防護を施す余裕もない。したがって、攻撃ドローン1機だけでも、積載された弾薬を誘爆させることで車両全体を破壊できることが多い。
ウクライナ軍によるキルゾーンの拡張とロシア側の適応
ウクライナ軍の現在の防御体制は、多層的に張り巡らされた障害帯とその後方に構築された塹壕陣地から成り立っている。障害帯の前方には「キルゾーン(撃破区域)」があり、そこに進入してきたロシア軍の人員や装備はウクライナ軍のドローンによって高い確率で探知され、撃破されることになる。ロシア軍のドローン操縦士も通常、キルゾーン内まで前進してくるが、火砲はそこから十分に距離をとりながらウクライナ側の防御陣地を射程に収めている。
ウクライナ軍は弾薬補給に使われる道路を監視することで、キルゾーンを実質的にロシア側支配地域のより深くへ拡張している。以前には砲兵を運用できていた地域も、補給車両が射撃要員側に到達する前に攻撃されてしまうため、実際に配置するのは難しくなってきている。その結果、ロシア軍が物理的には行動可能であっても、事実上、補給を維持できない領域が生まれており、戦闘能力が制約されている。


