経営・戦略

2026.04.28 09:30

マンモス復活を目指す100億ドル企業、その技術はさまざまなスピンオフ企業も生む

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懐疑的な見方

Colossalの主張は、科学的な反発も呼んでいる。2025年5月、同社のチーフサイエンティストであるベス・シャピロは、ダイアウルフの子は「20の編集を加えたハイイロオオカミ」であり、「かつて生きていた種と同一の個体」を復活させることは不可能だと認めた。これは、Colossalがそれまでこのプロジェクトを説明してきた方法からの大きな転換だった。2025年3月に誕生した「ウーリーマウス」も、実験は本物の脱絶滅のブレイクスルーというよりマウスの遺伝学に関するものだとする専門家の懐疑を招いた。

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より広い批判はこうだ。成果物がハイブリッドであるなら、それを本当に「脱絶滅」と呼べるのか。アジアゾウの代理母から生まれ、マンモスの遺伝子を一部に持つ子は、技術的には復活したマンモスではなく、遺伝子編集されたゾウである。

Colossalの答えは実利的だ。その動物はマンモスのように見え、マンモスのように振る舞い、ツンドラ生態系においてマンモスが担っていた生態学的相互作用を回復させるという。これが純粋主義者を満足させるかどうかは議論の余地がある。しかし、基盤となる科学を前進させるかどうかに関しては議論の余地がない。

サンディエゴ動物園野生生物アライアンスは、バイオバンキングの取り組みは「規制の枠組み、長期的なガバナンス、政治的境界をまたぐ調整」を扱う必要があると警鐘を鳴らした。キングス・カレッジ・ロンドンの教授は、BioVaultの技術的主張を評価するには公開情報が不十分だと述べている。

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脱絶滅のために構築されたツールの可能性

Colossalは未公開企業であり、株式市場を通じて投資できるわけではない。それでも注目すべき理由は、プラットフォームという仮説にある。脱絶滅のために構築されたツールは、次世代の合成生物学アプリケーションに必要なツールと同一だからだ。

プラスチックを食べる微生物は、数千億ドル規模の廃棄物問題に対処する。人工子宮研究は、250億ドル(約3兆9800億円)以上の不妊治療市場に影響を与え得る。数百の同時編集を90%の精度で行うマルチプレックス・ゲノム編集能力は、農業バイオテック、遺伝子治療、保全遺伝学に関連する。遺伝資産の保全を主権資産として政府が購入するというBioVaultモデルは、5年前には存在しなかった新たな収益カテゴリーだ。

Colossalは保全技術を無償で利用可能にし、Foundationを通じて世界に48の保全パートナーがいる。同社はまた、ケナガマンモスDNAを含む遺伝子編集ゾウなど、トランスジェニック動物に関する特許も出願しており、脱絶滅した種の所有者は誰かという問題群を浮上させている。

マンモスに注目が集まっているが、価値が積み上がるのは、編集効率、人工子宮、微生物による分解、そして主権的なBioVaultにある。Colossalは合成生物学のプラットフォームを構築し、氷河期の巨獣を復活させるという最も野心的なプロジェクトを、実証の場として用いてきた。マンモスの子が2028年に生まれるにせよ2030年になるにせよ、そこに至るために必要だったツールはすでに、スピンオフ企業、収益、政府との提携をいまこの瞬間にも生み出している。

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