スピンオフ企業
・Breaking(プラスチック分解)
Colossal初のスピンオフ企業であるBreakingは、ハーバード大学のWyss Instituteにおける発見からインキュベートされた企業で、2025年7月に1050万ドルのシード資金を得て立ち上がった。主力となる微生物「X-32」は、埋立地や池での1年にわたるバイオプロスペクティングによって見つかった。自然状態のX-32は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドを分解し、最短22カ月で二酸化炭素、水、バイオマスを残す。
従来のリサイクルはマイクロプラスチックを生みがちだが、X-32は材料を基礎成分まで分解する。Colossalの合成生物学の知見は現在、遺伝子工学によってX-32をより速く、より効率的に、より効果的にするために活用されている。
・Form Bio(計算生物学)
2022年9月に3000万ドル(約47億8000万円)のベンチャー資金を得てスピンオフしたForm Bioは、Colossalが脱絶滅のパイプライン管理のために構築した遺伝子解析ソフトウェアをライセンス提供している。コード中心のバイオインフォマティクスのプロセスを、ゲノム解析、古代DNAデータベース、AI駆動のワークフローのためのアクセスしやすいインターフェースに置き換える。
・人工子宮の研究
フクロオオカミとマンモスのプロジェクトはいずれも、代理母出産または子宮外での発生を必要とする。Colossalには人工子宮に取り組む17人のチームがあり、試作の人工子宮を用いて、受精した有袋類の胚を妊娠期間の半分を超える段階まで培養することにすでに成功している。
ラムは投資家が、この技術を将来的なヒトの不妊治療に向けて関心を示していると述べている。結びつきは直接的だ。キタシロサイを救う、あるいはフクロオオカミの子(ジョーイ)を得るために生み出された胚発生技術は、体外受精(IVF)、胚のスクリーニング、生殖医療に応用できる。
数百万の凍結細胞・組織サンプルを保管するBioVault
2026年2月、ColossalはUAEと提携した世界初のBioVaultを発表した。場所はドバイのMuseum of the Futureに恒久的に設置される。ドバイ皇太子であるシェイク・ハムダン・ビン・モハメドがこのプロジェクトを指揮した。これは9桁規模(100億円規模)の取り組みであり、世界で最も危機に瀕する100種から開始して、1万種以上に由来する数百万の凍結細胞・組織サンプルを保管することを目指す。BioVaultは自動化ロボティクス、AIによる監視、独自の凍結保存技術を用いる。
ラムは、これを動物版のスヴァールバル世界種子貯蔵庫にたとえた。ゲノムデータはオープンソース化され、世界中の研究者に対し、保全および脱絶滅研究のための参照ゲノムを提供する。構想は、生物多様性ホットスポットにおける、7〜10カ所の分散型BioVaultからなるグローバルネットワークである。
ここでビジネスモデルが興味深くなる。各国政府が国家戦略として自国固有の動物相の保全に資金を投じ始めているのだ。UAEはBioVault構想とあわせて、Colossalに6000万ドル(約95億5000万円)を直接投資した。ラムは、カーボンクレジットに似た「生物多様性クレジット」、ビッグテックとの提携、政府契約を組み合わせることで収益を生み出し、合算すれば年あたり数十億ドル規模をもたらし得ると述べている。


