原油価格より動向の方が重要
燃料価格の高騰を踏まえ、筆者は先週、2001年までさかのぼる過去のデータを分析し、原油価格と航空会社の株価の相関関係を調べた。筆者が気づいたのは、原油価格だけでは航空会社の株価の行方を正確には予測できないということだ。むしろ、重要なのはその動向だ。
過去4週間にわたって原油価格が上昇していた場合、航空会社の株価はその後1年間で平均6%近く上がった。逆に、原油価格が4週間下落していた場合、航空会社の株価上昇率は平均で14%近くに達した。つまり、原油価格よりその動向の方が重要だったのだ。最も好調な展開となったのは、原油価格が高値圏(過去の価格帯の上位20%)にありながら、過去13週間で下落に転じ始めた時だった。このような事例では、航空株はその後1年間で平均31%近くの上昇率を記録し、約84%の確率で好結果をもたらした。
17日に何が起きたかを考えてみよう。イランのアッバス・アラグチ外相は、米国との停戦期間中、ホルムズ海峡を商船に開放すると発表した。これを受けて原油価格は11%下落し、航空会社の株価は軒並み急騰した。ところが、20日にはイランが方針を転換し、米国が船舶を拿捕したことで、原油価格は5%反発した。
原油価格が高水準から持続的に下落する動きはまだ見られないが、過去の傾向は依然として変わっていない。いずれ必ず下落局面が訪れるだろうが、その時はここ数年で最も有利な航空株の買い場の1つに差しかかっている可能性がある。重要なのは、個々のニュースに反応するのではなく、原油相場の動向が反転する兆候を見極めることだ。
経済成長を上回る旅行需要の伸び
旅行需要が依然として堅調である点は特筆に値する。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は今週、世界の旅行業界が昨年の国内総生産(GDP)に貢献した額が過去最高の11兆6000億ドル(約1850兆円)に達し、世界経済全体の成長率を50%近く上回ったと報告した。米国内に目を向けると、米旅行産業協会(USTA)は、今年の税還付額の増加により国内旅行支出が51億ドル(約8100億円)増えると推計しており、その大部分は中間所得層がけん引すると見込んでいる。
確かに、3月の航空運賃は前年同月比で約15%上昇したが、サウスウエスト航空のボブ・ジョーダンCEOが米ABCニュースに語ったように、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)以降、航空運賃の上昇率はインフレ率を上回ってはいない。消費者は旅行を続けているのだ。
リスクは常にコスト面、特に燃料費にあった。ホルムズ海峡の再開は長続きせず、停戦の行方も依然として不透明だ。しかし、まさにそれが筆者の言いたいことだ。高品質で多角的な収益体制を構築してきた航空会社は、混乱を乗り越えられることを実証している。燃料価格の逆風が和らげば、そうした航空会社が最も有利な立場に立つだろう。


