ユナイテッド航空とアメリカン航空が合併すれば世界最大の航空会社に
ユナイテッド航空のカービーCEOは2月25日、ドナルド・トランプ米大統領との会合で、ここ数十年で最も野心的とも言える買収案を提示したと伝えられている。ユナイテッド航空とアメリカン航空が合併すれば世界最大の航空会社が誕生し、米国内線の約40%を担い、年間売上高は1000億ドル(約16兆円)を超えることになる。
この取引は間違いなく、独占禁止法上の厳しい審査に直面することになるだろう。業界のアナリストらは既に、事業売却が必要となる可能性が高い重複路線を300本近く特定している。米政府はこれまでのところ立場を明確に示していないが、筆者はそれを肯定的とも否定的とも受け取っていない。
一方、アメリカン航空は17日、この買収案を否定し、「ユナイテッド航空との合併に関するいかなる協議にも参加しておらず、関心もない」と切り捨てた。これで話し合いが完全に終わったとは限らないが、現時点ではこの件は棚上げになったようだ。
デルタ航空は価格決定力で燃料費の高騰に対処
前回の業界再編の波以来、変化したのは経営戦略そのものだ。多くの航空会社は単なる輸送事業者から、プレミアム商品やマイレージプログラム、提携金融サービスなどを基盤とした高度なプラットフォームへと変貌を遂げた。
デルタ航空の最新の決算報告を見てみよう。同社は燃料費が急騰したにもかかわらず、第1四半期の売上高が前年同期比9%以上増加し、142億ドル(約2兆2600億円)という記録的な数字を計上した。米南部アトランタに本社を置くデルタ航空は、今四半期の燃料費を1ガロン(約3.8リットル)当たり4.30ドルと予測している。これは前年同期の2.62ドルからの大幅な上昇で、20億ドル(約3200億円)以上のコスト増となる。それにもかかわらず、利益は前年同期比40%以上増加した。
デルタ航空はこれをどのように成し遂げたのだろうか? プレミアム収入は14%増加し、ロイヤルティー収入は13%増加した。米クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)との契約だけでも20億ドルを超えている。多角化された利益率の高い収益源は現在、デルタ航空の総収益の62%を占めており、10%台半ばの成長率で推移している。同社のエド・バスティアンCEOは、供給能力の拡大を抑制し、高騰する燃料費を価格設定によって回収しようとしていると説明した。
これはまさに、筆者が期待していたような規律ある経営姿勢だ。これこそが、業界のアナリストが提唱してきた「プレミアム化」モデルであり、実際に効果を上げている。今日の航空会社は単に座席を販売するだけでなく、航空機を運航しながら消費者向けサービスや金融サービスを提供する企業になりつつある。


