済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師によると、約7割に相当する65.3%の人が「熱中症・脱水症予備軍」に該当するという。具体的には、気圧や気温の急激な変化で体調を崩しやすい人が29.4%、朝日を浴びる時間が短い人が27.0%、喉の渇きを感じにくい人が18.1%存在し、さらにはダイエットによる食事制限を行っている8.7%の人も注意が必要だ。こうした自律神経の乱れや体内水分の不安定さが、自覚のないまま脱水症状を引き起こす危険性を秘めている。

理想的な対策として、谷口医師は1日あたり1L程度の水分補給を推奨している。ただし、一度に大量の水を飲む「がぶ飲み」は、脳が水分過剰と判断して尿量を制限するホルモンであるバソプレシンの働きを弱め、結果として水分が体に吸収される前に排出されてしまうという。身体の細胞に効率よく水分を届けるためには、一口15〜30ml程度の少量をこまめに飲む「ひっそり補水」が有効だ。今回の調査では、正しい水分補給量である1L以上を達成している人は59.2%に達したが、この「喉が渇く前に少しずつ飲む」という正しい補給方法を実践できているのはわずか25.0%にとどまった。

喉の渇きを感じた時点では、すでに体内水分は不足し始めている。特に気温が上がりきらない春先は喉の渇きを自覚しにくいため、意識的に「攻めの補水」を行うことが欠かせない。パフォーマンスを維持し、健康を守るためには、この時期から正しい知識に基づいた水分補給を習慣化することが求められている。
出典:タイガー魔法瓶「熱中症と水筒に関する意識調査」より


