一方で、通勤時間を「非効率に感じる」と回答した人は62.8%に達し、「有効活用できる」と答えた18.3%を大きく上回っている。通勤中にスマートフォンでSNSやニュースを見る(57.8%)といった工夫は見られるものの、多くの社会人にとって移動時間は依然として負の側面が強いようだ。

実際、通勤にストレスを「感じる派」は75.8%という高い水準にある。このストレスが仕事に及ぼす影響は深刻で、「生産性が落ちる」と回答した人が51.1%に上ったほか、「出社自体が負担」と感じる人が48.6%、「集中力が下がる」人が30.0%という結果が出ている。対面によるメリットを享受する一方で、物理的な移動が心身の疲労を招き、結果としてパフォーマンスを阻害しているという皮肉な構造が浮き彫りになった。
理想と現実のギャップも顕著だ。理想の働き方を聞くと「出社派」が53.2%で過半数となったが、理想の出社頻度は「週に3日」が20.8%で最多となり、次いで「週に2日」が15.6%となった。現実の主流である「週5日」出社は18.1%と乖離があり、出社の価値を認めつつも、リモートとの併用による柔軟性を求める心理が見て取れる。

今回の結果から、出社によるコミュニケーションの円滑化と、通勤負担による生産性低下という相反する状況が見えてきた。企業が単に「出社回帰」という方針を打ち出すだけでなく、通勤の心理的・物理的負担をいかに軽減し、オフィスでの時間をいかに価値あるものに設計し直せるかが、今後の組織力の鍵を握ると言えそうだ。
出典:Job総研「2026年 出社に関する実態調査」より


