北米

2026.04.22 08:00

トランプ関税の払い戻し申請が本日開始、しかし一般消費者に恩恵なし

Tasos Katopodis/Getty Images

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米国時間4月20日、「トランプ関税」の払い戻し申請が開始した。今年初めに連邦最高裁判所がドナルド・トランプ大統領による関税政策を無効とする判決を下したことを受けた措置だが、一部のアナリストは、その結果として消費者の負担が軽減する可能性は低いと警告している。

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企業のためのプラットフォーム始動、消費者還元をうたう事業者はわずか

税関・国境警備局(CBP)は20日、企業が払い戻しを請求するためのプラットフォーム「Consolidated Administration and Processing of Entries」を立ち上げた。

払い戻しを請求できるのは、公式に関税を支払った主体である輸入者に限られる。一部の法務アナリストはこのプロセスを批判している。なぜなら、払い戻し金を消費者に還元すると公言している企業はごくわずかであり、多くの企業は関税によるコスト上昇分を消費者に転嫁してきたにもかかわらず、今回の払い戻しによって企業側のみが利益を得ることになるからだ。

ほとんどの企業は、新たな関税の発動を予想

UBSのチーフエコノミスト、ポール・ドノバンは、関税の払い戻しは米国の輸入業者を潤すだけであり、「消費者のためにあえて価格を下げる動きが急に広がるとは考えにくい」と記した。また、タックス・ファンデーションのシニアエコノミスト、アレックス・デュランテはニューヨーク・タイムズに対し、ほとんどの企業が新たな関税の発動を予想しているため、「(払い戻し分を)消費者に対して即座に還元しようとする」動きは期待できないと語った。

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消費者物価が即座に下落する可能性は低い

ゴールドマン・サックスのアナリストであるアレック・フィリップス、エルシー・ペン、デビッド・メリクルは2月、払い戻しによって消費者物価が即座に下落する可能性は低いと指摘した。関税は過去10カ月間でインフレ率を0.7%押し上げたが、2026年にもさらに0.1%の物価上昇を招くと予想されている。

企業が関税の引き下げに応じて販売価格を下げるスピードは、トランプが関税を導入した際に価格を引き上げたスピードに比べれば緩やかになるとの見方が多い。そのため、最高裁の判決後に消費者が物価の低下を実感できる可能性は極めて低い。

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翻訳=江津拓哉

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