オンラインで最近共有されたある動画には、弾頭を搭載していない高速の攻撃ドローン(無人機)が、鋭い刃で人形(ひとがた)の標的を撃ち抜く様子が映っている。動画を投稿した英シャドーブレイク・インターナショナル(ShadowBreak Intl)社のサミュエル・カルディロ最高経営責任者(CEO)はこれを「フライングソード(空飛ぶ剣)」と呼び、時速450kmで攻撃すると説明している。
direct kinetic impact. a flying sword. 450km/h.
— Samuel Cardillo (@CardilloSamuel) March 19, 2026
updated video showing exactly that. we're also working on the explosive variant.
only for authorized partners. dms are open. pic.twitter.com/xs9fQewSlB
デモンストレーションは常に鮮烈な印象を残すものだが、誤解を招きやすいことも少なくない。それでも、フライングソードが攻撃ドローン技術の新たな潮流をよく示すものなのは確かだ。こうした技術により、FPVドローンは阻止するのが従来よりも難しくなる一方、政府や非国家主体がより入手しやすいものになると予想される。
空を舞う剣闘士たち
ウクライナの戦場では、すでにいろいろな「剣闘士的」ドローンが空中戦を演じている。たとえば、槍や三叉(みつまた)の矛、あるいは銛(もり)のような形をした武器を装着したドローンが投入されていることが知られている。こうしたドローンが有効なのは、攻撃目標となる相手のドローンがプラスチックやカーボンファイバーといった脆い材料でできているからだ。クワッドコプター(回転翼4つのドローン)を撃墜するにはローターブレード(回転翼の羽)を1枚折るだけでもよく、それは釣り竿の先に紐を垂らしただけの簡素な器具でも可能だ。
一方、地上目標ははるかに頑丈であり、だからこそそれを攻撃するFPVドローンには爆弾が搭載されている。そうしたドローン用弾薬には当初は対戦車擲弾(RPG弾)が転用されていたが、ここ数年で各種目標に対応したさまざまなFPV用弾薬が配備されるようになっている。
ネット上には、空飛ぶ剣タイプのドローンの動画がほかにも数多く見つかる。中国の神話の武器を模したものあれば、多数のドローンが連携して飛行する様子を映したものもある。しかし、これらのドローンは実のところ、発泡スチロール製やプラスチック製の刃を取り付けたおもちゃにすぎない。
ちなみにウクライナからは、日本刀らしきものを装備したFPVドローンの動画も少なくとも1つ投稿されている。しかし、これもやはり本格的な兵器というよりは、扱いにくいペイロード(積載物)を取り付けた状態で機動性を示してみせるデモンストレーションのような印象を受ける。
Modification of the Ukrainian FPV for close combat pic.twitter.com/1tauV9D5Hj
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) January 22, 2024



