──最後に、これからの次世代リーダーに向けてメッセージをお願いします。
冨山: これまでの大企業は、序列絶対の体育会系を重宝してきました。上司の好みを忖度して花見の場所取りをするような能力です。しかし、こうした小利口で絶対服従の能力は、いちばんAIに駆逐されやすいものです。言われたことを正しく処理するだけならAIのほうが優秀ですから。
宮城: 演劇を始める人間というのは、基本的に世の中に対して何かしらうまくいかない、齟齬や摩擦を感じているから始めるんですよね。でも、その世の中の枠に収まらない摩擦や、はみ出すエネルギーこそが、新しい価値をつくる源泉になるのだと思います。
冨山: ええ。だからこそ、まっすぐエリート街道を進むのではなく、人間の情念のぶつかり合いを経験し、予定調和を壊すような無駄とも思える寄り道をする。これからのリーダーに必要なのは、体育会的な服従力ではなく、まさに演劇の経験なのだと思います。
宮城 聰◎演出家、SPAC芸術総監督。2007年就任以来、世界各地の現代作品を紹介し「世界を見る窓」としての劇場運営を行う。代表作に「王女メデイア」「マハーバーラタ」など。近年はベルリン国立歌劇場でオペラの演出も手がける。
冨山和彦◎日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役会長。ボストンコンサルティンググループ等を経て、2003年、産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。07年、経営共創基盤(IGPI)を設立。20年、日本共創プラットフォームを設立。


