カルチャー

2026.04.25 10:30

韓国でCUTIE STREETが話題に。KAWAII LAB.の成功を支える信条

中川悠介 アソビシステム 代表取締役(写真左)・木村ミサ KAWAII LAB. 総合プロデューサー(同右)

中川悠介 アソビシステム 代表取締役(写真左)・木村ミサ KAWAII LAB. 総合プロデューサー(同右)

現在発売中のForbes JAPAN 4月24日発売号は「THE LEADERSHIP AI時代のリーダーシップ」特集。2022年のChatGPT登場以降、日本でも「AX」が経営課題の中心に躍り出た。自ら思考し、タスクを完遂する「AIエージェント」や、人型ロボットや高度な自動化技術といったフィジカルAIたちが、さまざまな組織に新たなアクターとして加わっている。こうした時代の転換点において、リーダーはAIを効率化のための道具にとどめず、新たな事業創出のためのパートナーととらえ、戦略的に使いこなすことが求められている。AIと人間が仲間として共に働く未来において、組織におけるリーダーシップはどう変化するのか。本特集では、多様なアプローチで未踏の時代を切り拓く新しいリーダーたちの言葉から、「AI時代のリーダー像」を探る。

2025年から立て続けに異業種との連携を進め、AX推進で成長戦略を描くアソビシステムの中川悠介。「KAWAII LAB.」を成功に導いた同社の木村ミサとともに、同社流のリーダーシップを語る。


世界中で「AIを戦略的に使いこなすリーダー」が重要とされ、企業変革をうながす手段として注目を集める中、日本ではAIが業務効率化ツールにとどまっている現状がある。PwC Japanグループの調査*によると、日本は活用の推進度が一定の水準に達しているにもかかわらず、効果が期待を下回る企業が増加していることが明らかになっている。 

*2025年6月、「生成AIに関する実態調査2025春 5カ国比較」

そんななか、近年の「KAWAII LAB.」 の成功などエンタメ領域で成長を続けてきたアソビシステムは、AXに挑戦している。同社は2026年2月、ミダスキャピタルと共同でエンターテインメントのAXを推進する新会社「アソビダス」を設立したと発表した。同社は推し活市場においてAI活用によるシームレスな顧客体験とLTVの向上を目指すプラットフォーム事業を行う。そのほか、AI活用による現場業務の効率化、推し活ニーズに網羅的に応えるためのM&Aなどを行い30年に売り上げ300億円達成を目指す。

J-POPに新しい風を吹き込み続ける同社だが、リーダーシップにおけるメソッドはあるのだろうか。代表取締役の中川悠介と、「KAWAII LAB.」総合プロデューサーの木村ミサが語るリーダー論は「アソビシステムらしさ」の根源につながっていた。

アソビシステムは26年3月、主催フェス「ASOBIEXPO」の海外初公演をハワイで行った。社員旅行を兼ねて全社員をハワイに集めたのには、全社で感情共有という“資産”の土台を形成する目的があった。エンターテインメントの本質は、人の心を動かすことにある。だからこそ中川は感情の共有を重視している。それはアーティストにおいても同じで、「うれしい、楽しい、悲しいといった当たり前の感情の発信が、ファンの熱量を高める」と確信する。

「ステージ上だけで表現しても、本当の熱量は伝わらない。SNSなどを通じて、日々好きなものや感情の起伏をトータルで発信し、スタッフ側がそれを一緒に楽しむ姿も見せる。AI時代に突入しても、この日常に根ざした『感情の共有』だけは、代替不可能な領域であるはずです」

その共有手段として期待がかかるのが、アソビダスが推進する「推し活AXプラットフォーム」だ。メディアが情報解禁の主導権をもっていた時代から、アーティストが好きなタイミングで直接情報を届ける時代へと変わった今、ツールやデータの連携によりファンが求めるハッピーなニュースを即座に届ける仕組みで、ファンビジネスの機会損失を解消する。「可視化された熱量がもっとファンの間で共有されれば、感情はより濃密になる」と木村も同調する。

次ページ > “打席”を用意し続ける

文=宮本恵理子 写真=ヤン・ブース

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事