北米

2026.04.21 11:30

トランプが「幻覚剤」の研究促進に向け大統領令、関連銘柄が急騰

Allison Robbert/For The Washington Post via Getty Images

幻覚剤「イボガイン」とは何か?

今回の大統領令で唯一、具体名が挙げられた薬物がイボガインだ。これは退役軍人のうつや不安、PTSDの治療に使用されるものだが、米国では現在、スケジュール1の規制薬物としてその使用が禁止されている。近年、テキサス州の共和党議員らはイボガインの有効性を主張しており、共和党のグレッグ・アボット知事は2025年6月、イボガインの研究に5000万ドル(約79億円)を投じるための法案に署名した。州主導の研究プログラムも開始されたが、承認に向けた開発企業はいまだ見つかっていない。

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イボガインは1990年代に国立衛生研究所(NIH)が資金提供していたが、「心血管毒性」を理由に研究が中止された経緯がある。最近の研究でも心臓麻痺の可能性が示唆されており、サイケデリック研究学際協会(MAPS)によれば、イボガインは不整脈を引き起こす可能性があり、これまでに30件以上の死亡例に関連しているという。

大統領令の署名式にも出席したポッドキャスターのジョー・ローガンによれば、ローガンがイボガインの情報をトランプにテキストメッセージで送った際、トランプは「素晴らしい。FDAの承認が欲しいのか? やろうじゃないか」と応じたという。

サイケデリック薬承認に関する動き

サイケデリック薬承認への動きは、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官による推進も背景にある。彼は2025年にFDAによる「サイケデリック薬への攻撃的な抑圧」は終わると述べていた。ジョー・バイデン政権下のFDAは2024年、MDMAをPTSD治療薬として使用するための承認申し入れを却下したが、その際は研究の質や臨床試験のデザインに関する疑問を理由に挙げている。

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サイケデリック薬をめぐる法整備や政策は近年変化を見せる。2013年の研究で低用量のシロシビンがPTSD患者に有益である可能性が判明し、2016年の試験ではこの薬が不安やうつの治療に使用できることが示唆された。その一方で、投与量を増やすとかえって精神疾患による苦痛を悪化させる可能性があるとの研究結果も報告されている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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