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2026.04.23 12:15

星新一賞の受賞作75%がAI活用、長編シナリオに特化した制作支援ツール

stock.adobe.com

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2026年2月、日経「星新一賞」の受賞作が発表された。第13回となる今回、一般部門の受賞4作品のうち3作品が、創作過程でAIを活用したものだった。

同賞はもともとAIによる応募を認めてきたが、最終審査では審査員から「人間の作品かAIの作品か、区別がつかない」という声が相次いだ。

AIが小説を「書く」時代が現実になりつつあるなか、逆のアプローチで物語制作に関わろうとするサービスが登場した。

長編物語に特化した制作支援

同年4月15日、長編の物語制作に特化したAI脚本ツール「AIシナリスト エージェント」がリリースされた。開発したのはAIスタートアップのOselAI。ChatGPTやClaudeなど汎用AIとの違いは、物語の構成そのものを支援する設計にある。

中核となるのは、特許申請済みの「物語シミュレーション」技術だ。キャラクターの行動や感情、ストーリー展開の整合性を保ちながら、長編の物語を組み立てることができる。ユーザーが断片的な発想や設定、世界観、人物像を入力すると、AIエージェントが構想段階のサポートからプロットの構築、執筆までを一気通貫でサポートする。単発の文章生成ではなく、伏線回収まで見据えた一貫性のある物語構築を目指している。

また、既存の作品を読み込んだうえで続編や派生ストーリーを構想・執筆できる機能も備えており、ゲームやアニメ、映像作品など幅広い制作現場での活用を想定している。

汎用AIを超えた現場の評価

リリースに先立ち、大手シナリオ制作会社での試験導入が行われた。ユーザーが企画からシーン執筆までの制作プロセスで活用したところ、汎用AIを上回る品質が確認されたという。

代表の本間心氏は「AIが人間の創作を奪うのではなく、人の発想をより遠くまで届け、作品として形にするための伴走者になる未来を目指している」としている。


AIに物語を「書かせる」のか、AIと「書く」のか。創作におけるAIとの距離感は、書き手の数だけ生まれていくのかもしれない。

プレスリリース

文=池田美樹

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