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2026.04.27 12:00

中国、「擬人化AI」を規制する法令を制定──18歳未満は禁止、連続2時間で休憩義務

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中国政府が「擬人化AI」に関して決めたこと

2026年4月10日、中国サイバースペース管理局(CAC=Cyberspace Administration of China)を中心とする5つの政府機関が、「擬人化AI対話サービス管理暫定弁法」(Interim Measures for the Administration of Anthropomorphic AI Interaction Services)を共同で公布した。この規則は2026年7月15日に施行されるが、すべての創業者およびプロダクト責任者が目を通すべき内容だ。

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明確な開示の義務化

ユーザーに対し、AIとやり取りしていることを明示しなければならない。ログイン時の目立つ表示、ポップアップ通知、長時間の利用や感情的に強い反応が検知された際に表示される「現実確認リマインダー」が求められる。

未成年者への特別保護

18歳未満に対するバーチャルコンパニオンおよびバーチャル親族サービスの提供は禁止される。事業者は年齢確認ゲート、未成年者モード、保護者管理機能(リアルタイムのリスク通知、利用状況の要約、利用時間制限、課金上限を含む)を実装しなければならない。

設計倫理がコンプライアンス事項に

ユーザーを不合理な判断に誘導したり、権利を侵害したりする感情操作的なデザインパターンは、評判リスクにとどまらず、法的責任を生じさせる対象となった。

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利用規模に応じた監督

連続利用が2時間に達した場合、事業者は休憩を促す通知を出さなければならない。大規模なデジタルヒューマン(人間を模したAI)サービスや広く利用されるコンパニオンボットは、セキュリティ評価やアルゴリズムの届出が義務付けられ、依存・自傷行為・悪用に対処できる能力を証明しなければならない。自傷行為に関する会話が検知された場合は、人間のオペレーターによる手動対応への切り替えが必要となる。

このAIコンパニオン規制が中国にとどまらない理由

これは、擬人化AIに特化して構築された、世界初の本格的な国家規模の規制枠組みの1つだ。

規律の対象とするのは、関係性から生じる下流のリスクだけではなく、その関係性そのものの構造である。カリフォルニア州のSB 243法は2026年1月に施行され、未成年者に対して3時間ごとの休憩リマインダーの表示と、未成年ユーザー向けの露骨なコンテンツの遮断を義務付けた。ニューヨーク州は2025年11月に米国初のAIコンパニオン法を可決した。ワシントン州も同じ方向に動いている。EUのAI規制法(EU AI Act)もその流れを指し示している。

エージェント経済(AIが自律的に行動する経済圏)に携わるすべての開発者にとっての要点はこうである。

問いはすでに変わった。問われているのは、あなたの製品がユーザーと深い感情的な絆を築けるかどうかではない。AIとの間に築いた絆が安全であり、適切に開示されており、画面の向こう側にいる人間をより良い状態にしていると証明できるかどうかなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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