欧州

2026.04.19 08:00

ウクライナ軍が東部要衝クプヤンシクを堅守 ロ軍、ドローンと電子戦を駆使も渡河に苦戦

ウクライナ東部を流れるオスキル川西岸の目標捜索に投入するため、ロシア兵らが偵察用のドローン(無人機)を組み立てる様子とされる画像。ロシア国防省が2025年11月27日にテレグラムに投稿した動画から

より広く見れば、電子戦では今日のドローンの脅威を完全に排除することはできない。電子戦システムは主としてドローンが受信する信号を妨害ないし遮断するものであり、送信を阻止するものではない。現在のドローンの多くはジャミングを受けると「フェイルセーフ」モードに切り替わり、操縦こそ制限されるものの、飛行を継続しつつ映像フィードを操縦士側へ送信し続けることが可能である。先に挙げた例のように、そもそもジャミング自体が効かない光ファイバー誘導ドローンも使用されている。

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また、電子戦システムの作動は電磁スペクトラム上で観測可能なことが多く、特定の区域で電子戦が行われていることを敵側に知らせてしまうシグナルにもなり得る。ウクライナ側はこうした情報によってロシア軍の作戦、たとえば渡河作戦などの実施が差し迫っていることを察知し、現場を攻撃するといった対応をとることができるかもしれない。その場合、ロシア側の電子戦システムは、意図した効果とは裏腹の結果をもたらしたことになる。

ロシア軍によるオスキル川渡河の今後の展望

ロシアはクプヤンシクの攻略を断念しそうになく、攻略するためにはオスキル川を渡る必要がある。したがってロシア側は、ドローンや電子戦システムの改良、架橋技法の強靭化、代替の渡河方法の考案など、新たな技術や戦術の試行を今後も継続するとみられる。また、戦闘力の集中や渡河の試みの隠蔽のため、情報や火力、機動の連携の向上も図ろうとするかもしれない。

とはいえ、根本的な課題は変わっていない。渡河作戦には兵力の集中、兵站、そして時間が必要だが、継続的に監視と精密打撃が行われる状況下では、そのいずれも確保が一段と難しくなる。河岸に戦闘力を集めようとすれば、その集まり自体が攻撃目標になり、そこにとどまる時間が長くなるほど脆弱性が増していく。渡河を成功させるには迅速な遂行が不可欠であり、そのためには高度な訓練が求められるが、ロシア軍の多くの部隊はその水準に達していない。

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一方のウクライナ側は、十分な時間をかけてオスキル川沿いの防御を整え、洗練させてきた。ドローンや火砲、偵察を統合した多層防御システムを構築しており、それはロシア軍によるどのような渡河の試みであっても、妨害するのに適した仕組みになっている。したがってロシア側がこの先、高度な技術を投入しても、オスキル川の渡河にともなう恒常的な課題を克服することは難しいだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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