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2026.04.26 10:00

中小企業のAI活用問題、鍵は「非常勤AI責任者(FAO)」 米国でニーズ急増

Burhan Art - stock.adobe.com

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多くの調査が、中小企業におけるAI導入の進展を示している。しかし実態としては、チャットボットによるリサーチやメール作成といった限定的な活用にとどまり、十分な投資対効果を享受できているとは言い難い。

中小企業の経営者は、AIを通じて生産性と収益の向上を図りたいと考えているはずだ。しかし、彼らの多くは技術的知見を欠き、どこから着手すべきかに苦慮している。筆者はクライアントに対し、外部ソリューションの購入か自社開発かという、二者択一の決断を常に提言している。

AIの外部調達

外部調達を選択する場合、まずはMicrosoft 365やGoogle Workspaceなどの既存アプリケーションを再点検し、アップグレードや新機能のサブスクリプションを行うか、外部のサービスプロバイダーやコンサルタントを介し、CopilotやGeminiの性能を最大限に引き出すことが求められる。

会計、CRM、人事、受注管理、見積・提案書作成といった各種アプリケーションに加え、プロジェクト管理や在庫・サービス管理のプラットフォームについても同様の見直しが求められる。ベンダーが提供する機能を把握し、搭載されたAI機能を最大限に活用すべきだ。そして何より重要なのは、トレーニングを受けることである。

あるいは、自社で構築するという選択肢もある。

AIの自社開発

ドミトロ(通称ディマ)・ネゴディウクは、この分野の専門家である。彼は、中小企業の間で需要が急速に高まっている「フラクショナルAIオフィサー(FAO、非常勤のAI責任者)」の一人だ。FAOとは、専門知識と公開ツールを組み合わせ、中小企業が抱える個別の課題に対して、AIを活用した解決策を構築するプロフェッショナルを指す。

高度な専門知識をパートタイムで提供する非常勤のCMO(最高マーケティング責任者)やCFO(最高財務責任者)、CRO(最高収益責任者)は、中小企業において一般化しつつある。ネゴディウクのようなFAOが急速に注目を集めているのも、同じ理由からだ。多くの経営者は、AIへの期待と実装の現実との間にあるギャップを埋めるソリューションの導入を支援できる人材を求めている。パートタイムで関与するFAOはコストを抑えやすく、投資対効果の可視化もしやすい。

ネゴディウク自身も、AIを活用して事業を効率化することを実践している。彼はコンサルタントとして活動する傍ら、AIボットを使ってほとんど手をかけることなく複数の事業を運営しており、月に1万5000ドル(約238万円)の収益を上げているのだ。彼は、AIを活用して時間とコストを削減する術を熟知している。 

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朝香実

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