また、ランダム販売は二次流通市場への依存を強める要因にもなっている。欲しいものを手に入れるため、定価に送料を加えた金額以上の「転売品」を購入した経験がある回答者は63.3%に上る。本来、公式に落ちるはずの収益が二次流通市場へ流出しているだけでなく、ファンに必要以上のコスト負担を強いている実態が見て取れる。

実際に、93.6%のファンが「ランダム販売であったこと」を理由に購入を断念した経験を持っており、その主因は「種類数が多すぎて、欲しいものが手に入らない可能性が高かった」(85.5%)というものだった。


では、企業とファンが共に納得できる「ウィンウィン」の形はどこにあるのか。調査結果は、ファンが決して「安さ」だけを求めているわけではないことを示している。ランダム販売の代替策、あるいは同時実施してほしい施策として、89.7%の人が「単価は上がるが、選んで買える」という販売方法だ。次いで「全種コンプリートセットの販売」も55.0%の支持を得ている 。

ファンは、確実に入手できるのであれば、相応の対価を支払う準備がある。筆者も同意見で、最近はランダムグッズに手を出すのをやめている。トレードを行っても人気の推しだと交換条件が厳しく手に入りにくいからだ。これからのグッズ展開においては、従来のランダム形式による射幸心に頼るのではなく、単価を上げてでも「選択の自由」を提供することが、ファンとの信頼関係を維持し、IPの寿命を延ばす鍵となるだろう。目先の売上高を追うだけでなく、ファンの購買体験を向上させることが、結果としてブランド価値の向上と健全な収益確保につながるはずだ。
出典:Hamaru Strategy「ランダムグッズに関するファン意識調査2026 中間報告」より


