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2026.04.18 02:49

自分で3Dプリントすれば環境にも財布にも優しい

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消費者が経済的な苦境を感じている主因は、根強いインフレ、高い住宅費、そしてモノの価格上昇にある。これに関税、戦争、原油高が加わると、包装コストから輸送コストまであらゆるものに影響が及び、多くの消費者は家計の支出が立ち行かなくなる。家計支出をコントロールする方法の1つは、製品を自分で作ることだ。昔の人々は何でも自分で作っていた。家庭菜園や手織りの衣服を思い浮かべてほしい。だが、それは大変な作業だった。産業革命以降、経済は大規模な集中型の製造と輸送に有利に働いてきたが、それは環境に甚大な負荷をもたらしている。多くの人々はこの仕組みに満足していた。いくらか稼ぎ、自分では作れない製品を買えるようになり、環境についてそれほど深刻に心配しなくてもよかったからだ。そして現在、新たな選択肢が登場した。使いやすい3Dプリンターのようなデジタル複製技術を使って、自宅で製品を作ることができるのだ。3Dプリンターは急速に成熟し、いまでは買うより安く、自分で製品を3Dプリントできるようになった。3Dプリンターで自分用の製品を作ることは現実的な選択肢となったが、果たして自分で製品をプリントすることは環境に良いのだろうか。

3Dプリンティングのイノベーションがコストを削減

自らの部品をプリントして自己複製できるオープンソースのラピッドプロトタイパー「RepRap」が開発されて以来、3Dプリンティング分野では多くのイノベーションが起きてきた。いまや低コストの3Dプリンターはあらゆる場所に普及している。文字通り数万台もの新しい3Dプリンターが、さまざまなメーカーやAmazonなどのオンライン小売業者を通じて、図書館、学校、メイカースペース、さらには一般家庭にまで広がっている。3Dプリンティングは現在、プラスチック製品の分散型製造において技術的に実用可能な手段となっている(より冒険心のある人向けには、ほかにも多くの材料が利用できる)。これらの製品は一般的に、従来の小売店で購入するよりはるかに安く3Dプリントできる

分散型製造の環境上の便益を総合的に見た場合、規模縮小による影響(設備が小さいほどエッジ効果や熱損失が大きくなる)や、内包エネルギーの増加の可能性があるため、その全体像は明確ではない。3Dプリンティングによる分散型製造の環境影響を定量化するために、3つのプラスチック製品──玩具園芸家向けの水栓ノズル、そしてオレンジジューサー──を対象にライフサイクル分析が実施された。

3Dプリンティングの環境負荷

ライフサイクル分析では、低労働コスト国での従来型の大規模生産と輸送に伴う内包エネルギーおよび排出量を、太陽光発電の有無において3Dプリンターで製品を製造した場合の実験測定と比較している。使用した一般的なプラスチックは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS:レゴブロックと同じプラスチック)と、ポリ乳酸(PLA:一部のマクドナルドのカップに使われているトウモロコシ由来のプラスチック)である。結果は、PLAでプラスチック製品を製造する場合、累積エネルギー需要が41〜64%削減できることを示している。

節約のために太陽光発電に切り替えた人にとっては、当然ながらさらに良い結果となり、55〜74%の削減が可能だ。予想どおり、既存の低コストなオープンソース3Dプリンターを用いた分散型製造では、PLA樹脂の充填率が25%未満の条件において、温室効果ガス排出削減は常に従来製品より優れている。

一方、ABSでは好ましい環境結果はそれほど顕著ではない。プリントベッドとエクストルーダーにより高い温度を必要とするためだ。総じて、環境分析の結果は、オープンソース3Dプリンターを用いた分散型製造が、さまざまな製品において従来の製造より低い環境負荷となり得る可能性を示すと同時に、消費者に大幅なコスト削減をもたらし得ることを示している。

forbes.com 原文

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