約250年前、米国の建国者たちが独立宣言に署名したとき、彼らはトマス・ペインの言葉を借りれば、「世界を新たにつくり直す」ことになると理解していた。今日、世界最大の経済を動かす産業、技術、熟練労働力を、彼らが想像できたとは考えにくい。
米国の創意工夫は今なお国の軌道を形作り続けている。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの分析によれば、1776年以降の最も重要な発明100件のうち、4分の3に米国人が全面的または部分的に貢献している。米国企業は多くの技術分野で世界をリードし、研究開発に多額の投資を行っている。この姿勢が活力と新規事業の創出を促進してきた。また、世界で最も引用される科学者の約40%が米国に拠点を置き、その多くがスタートアップ、ベンチャーキャピタル、大学を含む強力なイノベーション・エコシステムに直接貢献している。
世界人口のわずか4%しか占めないにもかかわらず、米国は世界GDPの4分の1超を生み出し、世界の上位100社のうち59社が米国に本拠を置く。
同時に、数字だけでは全体像は見えてこない。イノベーションと競争力は、所得の上昇、経済的モビリティの拡大、生活の質の向上へとつながり得る。だが、その恩恵は誰にとっても等しく行き渡っているのか。残念ながら答えは、しばしば人々がどこに住んでいるかに左右される。場所は機会へのアクセスを規定し、ひいては機会が結果を形づくる。
この傾向は住宅と所得の動向に明確に表れている。利用可能な住宅の不足は2012年から2023年にかけてほぼ倍増し、多くの地域で住宅価格は所得を上回るペースで上昇した。同時に、過去40年間の所得の伸びは不均等だった。所得分布の上位20%の世帯は着実に所得を増やしてきた一方、それ以外の層の伸びはより限定的だった。下位60%については、過去50年間の所得増加の多くが賃金上昇ではなく政府給付によるものであり、中間層(40〜60パーセンタイル)の伸びは全体で最も緩やかだった。その結果、米国は主要経済国のなかでも最も大きい部類の所得格差を抱えるようになり、上位10%と下位半分の間に大きな隔たりがある。
住宅から高等教育に至るまで、こうした経済の現実は、人々が将来や成長の軌道そのものをどう感じるかを左右する。人口の大きな部分が限られた所得増しか経験できないとき、消費需要は抑制され、才能の潜在力は十分に活用されず、生産性の伸びも均一になりにくい。時間の経過とともに、より少ない人々しか経済的な果実を共有できなければ、長らく米国の成長を駆動してきた強さと勢いは弱まり得る。
前途の課題は現実的だ。しかし、次なる成長の時代を形づくる機会もまた現実にある。米国はAI、バイオテクノロジー、先端ロボティクスなど、その時代を規定し得る産業で先行している。だが、その可能性を取り込むには、成長が拡大し、広く共有されるかどうかを決める制度・構造レベルの制約に対処する必要がある。
米国の競争力の次章は、制度・構造レベルの能力群を強化できるかにかかっている。個別産業への場当たり的な対処ではなく、成長が持続可能であるかを左右する土台である。第一に必要なのは、技術進歩を幅広い生産性向上へと転換できる、AIに精通した労働力だ。そのためには、数十年にわたる労働移動の減速を反転させ、工学・技術人材の供給パイプラインを拡充し、技能職や半導体などの分野で深刻な不足を埋めなければならない。半導体では最大58%の職が未充足となり得る。
その出発点は人への投資である。未来の産業が、広く、かつ持続的な繁栄をもたらすようにするためだ。AI主導の経済への移行には、労働者にAI固有のスキルを備えさせると同時に、より広範なリスキリングを拡大することが求められる。しかし、あまりにも多くの学生が数的リテラシーと批判的思考力の強固な基礎を欠いている状況では、「AIに精通した」労働力の構築は困難な戦いであり続けるだろう。
労働力のダイナミズムを高めるために、米国は労働者と求人のマッチングを改善し、地理的移動を促進できる。具体策としては、リモートワークの機会拡大、学歴ではなくスキル重視の採用、職業免許制度の合理化、新規事業の立ち上げを容易にすることなどが挙げられる。
経済成長は不可欠な第一歩だが、その先で、モビリティは成長をより広い経済参加へと転換するうえで中心的な役割を担う。より多くの人々が前進する機会へアクセスできれば、投資し、築き、消費し、持続可能で包摂的な成長を駆動するうえで、より有利な立場に立てる。加えて、単純に幸福度も高まる。結局のところ、幅広い賃金上昇は市場を強くするだけでなく、社会をも強くする。
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米国が建国250周年に近づくなかで、目標は成長そのものではない。より多くの人々がその成長の恩恵を受けられるようにすることが目標である。良質な仕事へのアクセスを広げ、所得を引き上げ、資産形成の機会を拡大することが、今後数年の経済の実力を左右する。知恵と意志があれば、「私たち人民」は、持続的な経済競争力が、すべての人の機会と繁栄へと結びつくことを確かなものにできる。



