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2026.04.28 11:00

職場で成功する「扱いにくい人」の特徴 心理学が証明した収入の格差

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影響は個人にとどまらない。専門誌『Frontiers in Psychology』に2025年に掲載された研究では、この特性を持つリーダーがチームにもたらす影響を調べた。完璧主義のリーダーの高い期待は従業員の認知的柔軟性やリスクテイク、複雑なタスクに対する自信を引き上げ、新しいアイデアの創出や革新的な発想の向上につながることがわかった。つまり、妥協を拒む人は自分の成果だけでなく周囲全体の水準を引き上げる存在なのだ。

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このタイプの「扱いにくさ」は一番誤解される。物事が完璧になるまでよしとしなかったり、まだ完成していないという理由でプロジェクトを何度も差し戻す人は、「要求が厳しい」「細かすぎる」とみられがちだ。しかしより正確に言えば、こうした人は「良い」と「卓越している」の間の差を埋める価値があると判断している。その判断はやがて、本人にも一緒に働く人たちにとってもキャリアを左右するものとなる傾向がある。

2. 「ノー」と言うための「扱いにくさ」

非常に協調性のある人には共通の弱点があることが多い。その弱点とは「ノー」と言うのが苦手ということだ。追加の依頼や業務範囲の拡大、他人の優先事項に押し流される状況を拒むことができない。研究によると、これは個人的に消耗するだけでなく、仕事上でも大きなコストを伴う。

『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された前述の研究が示すように、協調性の高い人は平均して給与が低い。これは特に男性で顕著で、断固とした態度で交渉したり同僚と直接競い合ったりすることをためらう傾向があるためだ。このパターンは給与だけでなく、昇進やリーダーシップの機会、自分の貢献をアピールすることによる存在感の向上にも及ぶ。協調的な人は良い仕事をすれば自然に評価されると考えがちだが、データからはそうした考えは大きな代償を伴うことが示唆されている。

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この仕組みは十分に裏付けられている。専門誌『Group Decision and Negotiation』に2021年に掲載された研究では、自己主張の強さが給与交渉の開始と正の関連性がある一方で、礼儀正しさや思いやりといった、女性が平均的に高いスコアを示す特性は実際に交渉を開始したかどうかとは何の関係もなかった。つまり、親切であることは交渉力を高めるわけではなく、交渉を持ちかける姿勢が交渉力を高める。

さらに、専門誌『Current Directions in Psychological Science』に2015年に掲載された研究では、協調性は分配型交渉における成果をわずかに低下させる要因となることが示唆されており、その理由として、協調的な人は他者への配慮が自己主張よりも優先されてしまうためだと考えられる。相手を不快にさせないようにしようという本能が、結果的にその人にとって不利な状況を招く。

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翻訳=溝口慈子

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