ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相とノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ首相と会談し、防衛協力について協議した。ウクライナは両国に対し、自国の無人機(ドローン)製造に関する専門知識と技術を提供することを提案した。その見返りとして、ドイツはウクライナに対する40億ユーロ(約7500億円)規模の防衛支援で合意し、ノルウェーも対ウクライナ支援を継続すると約束した。
ゼレンスキー大統領をはじめとするウクライナの政府高官は先月下旬から今月上旬にかけて、トルコを含む中東各国の首脳らとも会談した。ウクライナは、ヨルダン、クウェート、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)に対し、無人機に関する専門知識の提供を申し出た。その中で、ゼレンスキー大統領は、サウジアラビア、カタール、UAEと長期的な軍事協力協定を結んだ。無人機の専門知識と技術の提供と引き換えに、ウクライナ側は中東諸国からミサイル迎撃システムや財政支援、石油の供給を受けることになっている。
ゼレンスキー大統領はここ数カ月、これ以外の国々の政策立案者や防衛産業関係者らとも会談を重ねてきた。英BBCは2月、ウクライナの技術と専門知識を活用して無人機を製造する工場が英国に開設されたと伝えた。ウクライナの無人機メーカー「ウクルスペクスシステムズ」は、製造拠点として英東部ミルデンホールに工場を設立した。ここで製造される無人機は、近隣のエルムセット飛行場で試験が行われた後、ウクライナ軍に送られる。ウクルスペクスシステムズ英国支社のロリー・チェンバレン最高経営責任者(CEO)はBBCに対し、同工場が英国で数百人の雇用を創出すると語った。
英国に無人機工場が設立されて以来、欧州各地で同様の施設が次々と建設されている。仏ニュース専門テレビ局「フランス24」は2月、デンマーク政府がウクライナの無人機メーカー「スカイフォール」と協議中だと報じた。デンマークは年内にも国内での無人機製造を開始することを目指しているという。同国のトロルス・ルン・ポールセン国防相はフランス24に対し、「有力なウクライナの防衛関連企業をデンマークに誘致し、国内の産業界と協力させることは両国の安全保障を強化することになる」と述べた。



