同グループには、ジムを始めとするヘルスケア事業に加え、アパレルやライフスタイル事業、メディア事業を展開する企業なども参画している。今回、リスキリングの対象となるのはホワイトカラー職で、そうした人材をブルーカラーへと転身させるハードルは、決して低くないはずだ。
瀬戸氏は、企業として一方的に辞令を出すような対応をとると、「ネガティブにとらえる社員がたくさんいるのは間違いない」と認めつつも、「やはり建設人材は社会に求められている存在であり、(社員として)給与もアップする。しっかりとコミュニケーションを交わしていきたい」と理解を促した。
一方で、グループ内で建設人材の候補を確保したはいいものの、育成できるのか、は別問題となる。RIZAPでは、これまで培ってきたパーソナルジムのトレーナー育成メソッドを応用していくという。同社ではトレーナーを運動経験不問、人柄やコミュニケーション力を重視し、採用。養成施設「RIZAP ACADEMY」での研修やOJTを通して、トレーニング指導の技術や栄養学、解剖学、心理学などを習得した人材を育成。短期間で戦力化してきた。
すでに約50名が先行して建設人材へのキャリアチェンジに向けて動き出しており、その職種・職位はさまざまだという。
建設の仕事は「稼げるトレーニング」
今後は社外からも志願者を受け入れ、養成施設「RIZAP建設育成アカデミー」で外部の専門家による座学と実技、15の独自プログラムを構築。OJTとして20以上の協力会社で実地研修プログラムを提供することが決定しており、施工管理技士や電気工事士などの国家資格取得支援も行っていく。
瀬戸氏は、デスクワークによる「座りすぎ」が健康リスクとなる問題を指摘した上で、建設現場での登る、運ぶ、歩くなどといった動きがトレーニングそのものだと説明。建設業界での労働を運動として再定義し、そのイメージを従来の「きつい、汚い、危険」の3Kから「健康・快活・給与アップ」の3Kへと塗り替えていく方針を示した。

「社会全体で今、ミスマッチが起こっている。人材も資材も、ないところにはないが、あるところにはある。我々がプラットフォームとして中心になり、そうした過剰、過少になっているところを最適化していく」(瀬戸)
将来的にはM&Aを通して、現状の内装工事から躯体工事への事業領域拡大も視野に入れる。そして、日本の建設人材を永続的に輩出するプラットフォームを目指す。
返金保証のパーソナルジムやコンビニジムで、フィットネス業界に革新をもたらしたRIZAP。今度は、人手不足や資材不足に喘ぐ建設業界に、どこまで変化をもたらすことができるのか。


