夜空で最も明るい2つの天体がまもなく、今月屈指の美しい光景を見せてくれる。4月19日(日)の日没後、西の低空で「宵の明星」の金星と繊細な三日月が並んで輝き、見晴らしのよい場所ならどこからでも肉眼で楽しめる。心に染み入る宵の口の空の眺めになるだろう。
日の入りから約40分後に、西の空に目を向けてみてほしい。ぽつんと光る金星のすぐ右上・約5度離れたところに、月齢2の華奢な三日月がかかっている。
しばらく眺めていると、空がより濃い藍色へと染まりゆく中、三日月の左上・やはり約5度離れたあたりに、おうし座のプレアデス星団(すばる)がきらめいているのも見えてくるはずだ。
金星はマイナス3.8等級の輝きを放ち、日が沈んでから約1時間にわたり、暮れなずむ空に全天のどの星よりもはるかに明るく君臨する。
なお、20日頃までは夜明け前の東の空で、彗星「C/2025 R3(PanSTARRS)」(パンスターズ彗星)が見られる。双眼鏡を用意して、日の出の1時間半ほど前から東の低空に目を凝らしてみてほしい。
三日月と金星
4月17日(金)に新月を迎えた後の数日間は、夕方~宵の空にかかる細い月を観察するのにもってこいだ。双眼鏡を使えば、月の影の部分がうっすら光って見える「地球照」と呼ばれる現象もよく見える。
さらに、小型望遠鏡で覗いてみると、金星もまた「小さな三日月」の形をしているのが確認できる。金星にも満ち欠けがあることを思い出させてくれる眺めだ。
いまや「宵の明星」として日暮れの空を支配する金星は、日々高度を上げ、着実に明るさを増している。最大光度となるのは9月19日で、10月中旬まで宵の空にとどまるが、その後は地球から見て太陽と同じ方向にくるため、太陽のまぶしさの中に消えていく。11月以降は、明け方の東の空に「明けの明星」として昇ってくる。
プレアデス星団を知ろう
天体カタログ上では「M45」(メシエカタログ45番)として知られるプレアデス星団(和名:すばる)は、おうし座に位置し、太陽系から約440光年先にある。同じ星間雲(ガスと塵の雲)から生まれた約1000個の星が集まってできているが、肉眼で見えるのは最も明るい6~7個の星だけだ。このため英語では「セブンシスターズ(7人姉妹)」の愛称で呼ばれる。
プレアデス星団が誕生したのは、わずか1億年前。46億年の歴史を持つ私たちの太陽や、夜空に輝く多くの星々に比べ、極めて若い星たちだ。
「流れ星」の季節が始まった
三日月と金星の共演の後は、4月23日(木)の明け方に極大を迎える「4月こと座流星群」に注目したい。1時間あたりの流星数は観測条件の良い暗い空でも約15~20個とあまり多くはないが、上弦の細い月が夜半までに沈むため、見ごろとなる深夜以降は月明かりに妨げられない。
最も多くの流星が見られるのは4月22日深夜~23日未明となる。流星が飛び出してくるように見える「放射点(輻射点)」は、こと座の1等星ベガの近くにあり、深夜から明け方にかけて空高く昇る。ただし流星は夜空のどこにでも流れるので、広い範囲を見渡そう。



