コロナ禍で年商約159億円に到達、競合失速の中で成長を続ける
Chompsは、コロナ禍の中でも成長を続け、年間売上高は1億ドル(約159億円)に到達した。同社がこの節目を迎えた頃、競合各社は厳しい試練にさらされていた。ハーシー傘下だったKraveは苦戦し、創業者のジョン・セバスティアーニは最終的に2020年、自身のプライベートエクイティ投資会社ソノマ・ブランズを通じて会社を買い戻したうえで、第2ブランドのジャーキー「Chef’s Cut」を買収した。
また別のジャーキーメーカー、Stryveは2021年に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場したが、経営は破綻寸前まで追い込まれた。赤字が続く同社の株価は現在、ペニーストックの水準まで落ち込んでいる。一方で、Chompsはその後も成長を続けた。「バランスシートに現金を積み上げすぎると、経営判断が甘くなると我々は分かっていた」とアリは語る。
その時点で、CEOだったマルドナドと、COOだったアリは、Chompsの少数株式をボストン拠点のStride Consumer Partnersに8000万ドル(約127億円)で売却した。PitchBookによると、この取引における同社の評価額は3億ドル(約477億円)だった。
Strideのパートナー、フアン・マルコス・ヒルは、「市場には現在も多くの商品があるが、Chompsほど多くの条件を満たしている商品はそう多くない。この会社の成長の上限を想定するのは本当に難しい」と語る。
競争が激しい分野で、新規顧客の獲得によって成長
ただ、Chompsにも課題はある。PitchBookによると、Chompsはマルドナドとアリが共同CEOに就いた2023年とその翌年、カリフォルニア州ニューポートビーチ拠点のSG Stonegate Capitalから借り入れを実施した。その後、2025年にはウェルズ・ファーゴから1億ドル(約159億円)の融資枠も確保していた。
その資金の多くは、食品業界でも特に競争が激しい分野で戦うために投じられている。Chompsは現在も、カリフォルニア拠点で同社に次ぐ規模のArcher(2025年の売上高見通しは3億ドル[約477億円])を含む他の新興ブランドを大きく引き離している。だが、ChompsとArcherが長年かけて勝ち取ってきた棚のスペースを狙って、数十もの新興ブランドがしのぎを削っている。
アリは、「こうしたブランドの多くは一時的に盛り上がるだけの存在だ。急に勢いづいても、その後すぐにしぼんでしまうことがある。私は、そういう会社にはしたくない」と語る。
2025年の成長の81%は、ミートスナック売り場の新規客が支えた
例えば2025年、Chompsの成長の81%は、ミートスナック売り場に初めて足を運んだ買い物客によってもたらされた。アリは「このカテゴリーでは異例のことだ。Chomps登場前の老舗ブランドは、どれも非常に男性色が強く、特定の層に向けて訴求していた。Chompsはスティック型商品によって、多くの新しい消費者を呼び込めた。我々は他社からシェアを奪うのではなく、市場全体を広げることで成長した」と語る。
彼は、「小売業者のバイヤーと話すとき、彼らが求めているのはまさにそこだ。売り場の中で既存商品の売り上げを奪い合うようなブランドではなく、新しい消費者を連れてくるブランドが求められている」と指摘した。
ただ、Chompsは小売業者のプライベートブランドからの圧力にも直面している。コストコとターゲットがそれぞれ自社ブランドのミートスティック製造に乗り出したことで、Chompsはこの2社の店頭での競争激化に直面している。一方で、年間売上高が20億ドル(約3180億円)のJack Link’sや、Archerがスティック製品とあわせて販売しているジャーキーは、模倣がより難しいとされる。


