経営・戦略

2026.04.17 09:36

Allbirdsの崩壊が示す、スケーリングを急いだ企業の末路

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環境に配慮したウールスニーカーを販売するAllbirdsの株価は、2021年11月の高値521ドルから99.5%下落し、ピーク時に40億ドルあった時価総額はわずか2100万ドルにまで縮小した。

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この時価総額は、Allbirdsが3月31日に知的財産の売却に合意した価格を下回っている。Ed HardyやAerosolesなどのブランドを傘下に持つAmerican Exchange Groupは、Allbirdsの知的財産および一部の資産・負債を3900万ドルで取得することで合意したとThe Wall Street Journal紙が報じている。1800万ドルの差額は、弁護士費用やその他の負債を支払うコストに対する市場の見立てである。

産業エンジニアのジョーイ・ズウィリンガーと元プロサッカー選手のティム・ブラウンは、サステナブルな製品を消費者に直接販売することでプレミアム価格を実現し、利益を上げられるという考えのもと、2016年にAllbirdsを創業したと同紙は伝えている。

それから約10年、Allbirdsは当初の市場から拡大できなかったことが命取りとなった。同社の新製品——透けてしまうことが判明したウールのレギンス、30歳未満の顧客層を狙ったより鮮やかで個性的なスニーカー、下着やダウンジャケット、ゴルフシューズといった新カテゴリー——はいずれも成長の回復に失敗したと同紙は報じている。

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Allbirdsの業績は、失敗した成長戦略の代償の大きさを如実に示している。2025年第3四半期の売上高は23%減の約3300万ドル、手元資金は64%減の約2400万ドルとなり、店舗数も2024年の60店舗から23店舗にまで減少した。

同社はブランドの将来は明るいと述べている。American Exchange Groupとの取り決めにより「ブランドは今後数年間にわたって繁栄する態勢が整った」と、ジョー・バーナキオCEOはThe New York Times紙に掲載された声明で語った。

Allbirdsが失敗した理由を検証すると、投資家やビジネスリーダーにとって重要な教訓が浮かび上がる。さらに、上場企業のUnder ArmourとStitch Fixの2社も、Allbirdsと同じ道を歩んでいる可能性がある。

Allbirdsが崩壊した理由

Allbirds崩壊の核心にあったのは、売上高の急落だった。例えば、2022年から2025年にかけて同社の売上高は49%減少して1億5250万ドルとなり、その間の損失は累計4億7100万ドルに達したとWWDは報じている。

なぜ売上高が崩壊したのか。既存の製品ラインは陳腐化し、新製品の投入はことごとく失敗した。顧客はAllbirdsを見限り、On RunningやHokaなどに流れていったとJournal紙は伝えている。

新製品の失敗は経営陣の失策だった。顧客が愛した唯一の製品——Wool Runner——に研究開発費とマーケティング費を投じる代わりに、Allbirdsは「本業から目を離し」、40億ドルの時価総額を正当化するためにアパレルやパフォーマンスランニングといった隣接カテゴリーを追い求めたとCNBCは報じている。

高い時価総額が経営陣に、ハイパーグロースだけが株価下落を防げるという確信を与えた。経営陣は新店舗をオープンすれば、赤字企業が魔法のように黒字化すると誤って考えていた。

その結果、2022年にAllbirdsは19の新店舗をオープンし、NordstromやREIを通じて卸売りを開始したが、利益への明確な道筋がないまま現金を燃やし続けたとPrism Newsは報じている。

なぜAllbirdsは持続可能なビジネスモデルを構築できなかったのか。皮肉なことに、サステナブル製品へのこだわりが、経営陣の目をそらす結果となった。

サステナブル製品を謳うことは、競合他社にとって模倣が容易だった。実際、ナイキ、アディダス、プーマもエコフレンドリーなメッセージを採用したとInvestingLiveは伝えている。

Allbirdsの経営陣は、消費者がサステナブル製品にプレミアム価格を払わないという事実に気づけなかった。「サステナビリティは、スタイル、価格、快適さといった要素よりもはるかに優先順位が低い」とGlobalDataのマネージングディレクター、ニール・サンダースはJournal紙に語っている。「Allbirdsは環境への配慮と並行して、これらのいずれかに注力することもできたはずだが、おおむねそうしないことを選んだ」

Allbirdsの崩壊からリーダーが学べること

Allbirdsの失敗は、投資家やビジネスリーダーにとって非常に有益な2つの教訓を示している。

スケーリングの第2段階を飛ばしてはならない

1つ目は、拡大する前に収益性のあるビジネスを確立せよということだ。これは私がバブソン・カレッジで担当する人気講座「スケーリング戦略:アイデアから100億ドルへの4段階をマスターする」の初日に強調していることであり、私の著書Scaling Your Startupから導き出されたものである。

私の講座では、過剰な資本の存在が企業にスケーリングの第2段階——スケーラブルなビジネスモデルの構築——を飛ばして上場することを可能にしてしまうと指摘している。最初の顧客獲得(第1段階)から、流動性の獲得(第3段階)へと一気に駆け抜けてしまうのだ。

Allbirdsは4億7100万ドルを燃やしながら、スケールでの収益性への道筋を一度も示せなかった。新しい店舗、カテゴリー、チャネルはそれぞれ、本格展開の前に限定的なパイロットで収益性を証明すべきなのだ。

顧客に「圧倒的な価値の飛躍」を提供せよ

2つ目の教訓は、顧客を無視すれば痛い目に遭うということだ。確かに、Allbirdsのサステナビリティ・ブランディングは、シリコンバレーのテック系顧客の間で同社を人気にした。しかし、既存の大手企業がそのメッセージを模倣することがいかに容易かを認識すると、顧客はより優れたパフォーマンスを提供する競合他社へと移っていった。

新しい製品ラインに拡大したいのであれば、私が「圧倒的な価値の飛躍(QVL)」と呼ぶもの——競合他社よりもはるかに多くのベネフィットを提供する製品——を顧客に届けなければならない。しかしAllbirdsは、QVLを提供することでターゲット顧客に貢献するという視点でそれらの製品を捉えることなく、新製品開発に奔走してしまった。

次に危ないのはどの企業か

2つの上場企業が同様の道を歩んでいる。Under ArmourとStitch Fixは、カルト的人気を誇る製品がIPOの熱狂につながり、その後に過剰拡大、ブランド希薄化、そして崩壊へと至るAllbirdsと同じパターンを共有している。

例えば、フットウェア・アパレル小売のUnder Armourの株価は、2015年9月につけた54ドルの高値から89%下落している。人気の吸湿速乾コンプレッション製品ラインからスタートした同社は、フットウェア、ファッション、ライフスタイルへと過度に事業を拡大した結果、信頼を失ったとMacroTrendsは報じている。

CEOのケビン・プランクは2024年に復帰し、パフォーマンスを軸にブランドの熱量を再構築しようとしている。アナリストはUnder Armourを投機的な回復銘柄と評価している。時価総額30億ドル、売上高50億ドルはポジティブな可能性を示すが、関税による利益率圧迫と北米卸売りの継続的な低迷が上昇余地を複雑にしているとSeeking Alphaは伝えている。

消費者直販アパレル企業Stitch Fixの株価は、2021年1月のピーク時の約106ドルから97%下落している。パンデミック中は人気を博したが、アルゴリズムによるパーソナルスタイリングという同社の中核的な価値提案は、TikTokのディスカバリー機能やファストファッションのアルゴリズムに模倣されコモディティ化した。売上高は改善しているものの、アクティブ顧客数は何年も減少し続けているとMacroTrendsは報じている。

AI活用のスタイリングへの暫定的な方向転換と、2026年度の4四半期連続の売上高成長はわずかな希望をもたらしているが、アクティブ顧客数は依然として減少している。アナリストはStitch Fix株を「ホールド」と評価しており、ターンアラウンドは脆弱で、株価が低迷し続ければ上場廃止リスクが残るとAd Hoc Newsは伝えている。

forbes.com 原文

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