ある人工知能(AI)企業のCEOが、他のテック企業の経営者はAIを従業員解雇の「口実」に使っていると述べた。また、この新技術が雇用の「黙示録(アポカリプス)」をもたらすという懸念は誇張されていると主張した。
AIインフラ企業Scale AIのジェイソン・ドローゲCEOは、各社CEOはAIを口実にして人員を削減し、本来なら通常の「適正規模化」と見なされるであろうカットを実施していると指摘した。
米国時間4月16日、セマフォー・ワールド・エコノミー会議で講演したドローゲは、AIは依然として信頼性が低く、職場で多くの人間が行う重要な判断、特に財務上の意思決定を任せられる段階にはないとの見解を示した。
さらに彼は、従業員がAIを適切に使いこなせないなら解雇されるリスクはあるが、仕事が完全に自動化されAIボットに置き換えられるからではないと付け加えた。
ドローゲの発言は、4月15日にスコット・ベッセント米財務長官が述べた内容と類似している。ベッセントは、「AIがあなたの仕事を奪うのではない。AIの使い方を知っている人があなたの仕事を奪うのだ」と述べていた。AIの活用によって人間の従業員を減らし、少人数のチームで同じ仕事ができることを誇示してきた他のテック企業CEOの発言とは大きく異なる。
億万長者のエヴァン・シュピーゲルは月15日、自身の会社Snapが「AIの急速な進歩」を理由に挙げて1000人の従業員を解雇すると発表した。また先月には、オラクル、メタ(Meta)、クリプト・ドットコム、アトラシアン(Atlassian)がいずれも大規模な人員削減の理由をAIに帰した。
キャリアサービス会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、2026年現在3万人がAIを理由に解雇された。2025年には約5万5000人の削減がAIを理由に挙げられた。
この1年間で、各社CEOが人員削減の理由としてAIを挙げる傾向を強めており、AIのルネサンス時代において最も脆弱なのは中間管理職やホワイトカラーの仕事だと警告してきた。
例えば、セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは2025年、カスタマーサポート部門の約4000人を削減すると発表し、AIの統合により「必要な人員が減った」と説明した。ジャック・ドーシーと元セコイアのマネージングパートナー、ローロフ・ボサは先月、AIは中間管理職(労働力の約12%)が現在行っている仕事の多くをこなせると考えていると述べた。ソフトウェア企業アトラシアンの共同創業者マイク・キャノン=ブルックスは、自社の人員削減について「AIへのさらなる投資を可能にする」と説明した。
チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの最高収益責任者(CRO)を務めるアンディ・チャレンジャーは先月、「企業は雇用を犠牲にして、AI投資に予算を振り向けている」と指摘した。



