2026.04.17 10:00

IEA、欧州のジェット燃料は「残り6週間」 世界中で航空便の減便相次ぐ

Getty Images

欧州もアジア同様に追い詰められている。ビロル事務局長は「間もなく、A市からB市への一部の便がジェット燃料不足により欠航になるという報道が出てくるだろう」と語った。実際、ルフトハンザ、エールフランスKLM、スカンジナビア航空をはじめとする欧州の主要航空会社はジェット燃料を節約するため、運航便の削減に乗り出している。デハーンによると、イタリアの一部の空港は燃料の配給制を余儀なくされている。空港運営事業者の業界団体である国際空港評議会(ACI)欧州支部は先週、欧州連合(EU)では「ジェット燃料の構造的な不足が現実のものとなりつつある」と警告した。

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欧州の格安航空会社ライアンエアーのマイケル・オリアリー最高経営責任者(CEO)は今月初めに開かれた記者会見で、「6月、7月、あるいは8月に燃料供給の10~20%にリスクが生じた場合、当社をはじめとする各航空会社は、一部の便の欠航や運航規模の縮小を検討せざるを得なくなるだろう」と述べた。

米ブルームバーグ通信は、アフリカで最も裕福な人物であるナイジェリアの実業家アリコ・ダンゴテが所有する大規模な製油所が、欧州向けのジェット燃料供給源として重要性を増しつつあると伝えた。

デハーンは、エネルギー超大国である米国は日量約1300万バレルの原油を生産し、カナダから日量約400万バレルを輸入しているため、他の多くの国に比べて影響を受けにくいとした。さらに、米国の航空会社が深刻な影響を受けるようになるまでには、恐らく数カ月はかかるだろうとの見通しを示した。

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豊かな国が貧しい国より危機を乗り切る能力が高いのと同様、収益性の高い航空会社は経営が苦しい航空会社より打撃を受けにくい。報道によると、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用下にある米格安航空会社のスピリット航空は、早ければ今週にも清算される見通しだ。

米国では、フロンティア航空とジェットブルー航空も、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)以降、黒字化に苦戦している。その一方で、同国で2番目に収益性の高い航空会社であるユナイテッド航空も、燃料価格が下落しなければ、第3四半期に運航便を5%程度削減する可能性があるとしている。最も安泰なのはデルタ航空だ。同社は米国内で最も収益性の高い航空会社であるだけでなく、製油所を所有している唯一の航空会社でもある。デハーンは、デルタ航空は実質的に仲介業者を排除し、ガソリンとジェット燃料を交換するという、非常に有利な取り決めを結んでいると説明した。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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