現在の国内経済は、緩やかな回復基調にある一方で、原材料価格の上昇や人件費の高騰といったコストプッシュ型の圧力に晒されている。こうした経営環境の変化を背景に、帝国データバンクが発表した2025年度(2025年4月〜2026年3月)の全国企業倒産件数は、前年度比3.5%増の1万425件に達した。

倒産件数が前年度を上回るのは4年連続であり、2年連続で1万件の大台を超える結果となっている。ただ負債総額の推移は、前年度から31.0%減の1兆5537億8100万円に減少した。これは、大規模な倒産が抑制される一方で、負債5000万円未満の倒産が6475件と全体の62.1%を占め、比較可能な2000年度以降で最多を更新したことに起因する。資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の倒産も7580件に上り、経営体力の乏しい中小零細企業の淘汰が鮮明となっている。

業種別の動向を見ると、全7業種のうち5業種で前年度を上回る結果となった。なかでもサービス業が2677件(前年度比1.5%増)、小売業が2233件(同5.9%増)を記録し、いずれも2000年度以降で最多を更新。サービス業では医療スタッフの確保難に直面する医療分野、小売業では物価高や人件費負担が重くのしかかる飲食店において、倒産が増加している。また、建設業も2041件と過去10年で最多を記録しており、資材高騰と人手不足のダブルパンチが業界全体を直撃している実態が浮き彫りとなった。




