ジェイソン・リオイはDawn FoodsのChief People Officerである。
数年前、社内イベントの前に鏡の前に立ち、もう体に合わなくなったスーツを引っ張りながら、認めたくない事実と向き合っていた。私は何千人もの従業員を率いているのに、自分自身をないがしろにしていたのだ。
LinkedInでは洗練され、自信に満ちた姿に見えていた。だが現実の私は、疲れ果て、燃え尽き、目指したいリーダー像との間にズレを感じていた。
誠実さは私の中核となる価値観の1つである。会社や同僚、チームに対して約束を守り続けてきたことを誇りに思っていた。一方で私は、何年にもわたり自分自身に対する小さな約束を破り続けてもいた。その1つが、息子が遠征を伴う野球チームに入れたら、自分の健康のためにもっと時間をつくるという約束だった。
転機は、息子との会話から訪れた。ある夜、息子は「まだ遅くないよ、パパ」と言った。メールをもう1通書くために夜更かしをしたり、短期の仕事の追い込みに時間を充てるために運動を飛ばしたりするたびに、私は意図せず「自分自身との約束は守らない」という物語を強化してしまっていたのだ。
私は誠実さを外側の評価で測っていたが、誠実さは内側から始まる。人のケアをする前に、自分のケアをしなければならない。空っぽの状態では、他者に注ぐことはできない。
ストレスがリーダーとチームに与える影響
人事の世界では、エンゲージメントや燃え尽き、カルチャーが組織に与える影響について延々と議論する。だが、リーダーのウェルビーイングが組織のウェルビーイングに与える影響は、見落とされがちだ。
多くのリーダーは、組織の目標、チームのニーズ、自身のパフォーマンスへの期待など、重い精神的負荷を静かに抱えている。ストレスは自分にとっても、率いる人々にとっても有害である。それでもなお、「セルフケアは自分本位で、あくまで任意だ」という古い思い込みが残っている。
グローバルなリーダーシップ開発企業による2025年のレポートによれば、人事プロフェッショナルとリーダーの71%が「現在の役職に就いて以降、ストレスレベルが大きく上昇した」と回答し、54%が「燃え尽きが心配だ」と述べた。業務を適切に行うのに十分な時間があると感じていたのは30%にとどまり、40%はストレスを理由にリーダー職を離れることを検討したことがあるという。
最近の研究は、リーダーがストレス管理を支援するどころか、しばしばチームのストレスを増幅させ、そのパフォーマンスを損なう可能性があることを示している。さらに研究では、慢性的なストレスが、頭痛、疲労、睡眠の乱れ、実行機能の低下などの望ましくない健康影響と関連づけられている。
私自身の経験も、こうした知見を裏づけている。燃え尽きたリーダーは最善の意思決定ができない。従業員とのコミュニケーションも拙くなり、持続不可能な働き方を模範として示してしまう。意図せず、長時間労働や疲労を美化してしまうのだ。自分が消耗していること、そして燃え尽きが、他者に引き継ぎたくない文化的メッセージを形づくっていることに気づくまで、私はあまりに長い時間を要した。
人事リーダーのためのセルフケアに関する5つの学び
私は、「自分はこういうリーダーだ」と語ってきた姿と、実際に日々現れていた自分とのギャップを埋め始めた。ある朝、古いトレッドミルに乗った。使える時間は10分しかなかったが、その10分を自分をいたわるために投資することを選んだ。それで十分だった。新しい習慣の火種になったのである。
最初の10分は、やがてウェルビーイングのための時間へと育っていった。速くもなく、完璧でもなく、しかし着実に、意図をもって。やがて私は、好きになれる運動に出会った。rucking(ラッキング)である。背中に重りを背負って歩く運動だ。重い物理的な負荷を運ぶことは、仕事と私生活で抱えてきた重さを理解する助けになった。毎回の外出は「動く瞑想」のように感じられ、一歩ずつで強さを築けるのだと気づかせてくれた。
この個人的な変化は、CHROとしての私のリーダーシップを形づくる5つの学びをもたらした。
1. セルフケアはリーダーの責任である
チームはあなたを手本として見ている。あなたが率いる人々に、どんなメッセージを送っているのか。組織にどんな空気をつくっているのか。セルフケアは投資する価値があると示してほしい。
2. 小さな習慣が大きなリーダーシップの変化を生む
トレッドミルの最初の10分は、劇的な変化には感じられなかった。だが、その後につながる大きな変化の土台になった。組織文化は、壮大な鼓舞のスピーチをしたからといって一夜で変わるものではない。しかし、健全な選択を一貫して体現し続ければ、時間をかけて変化していく。小さく始め、段階的に積み上げていくことだ。
3. 誠実さは鏡の中から始まる
まずは自分自身との約束を守ると決めることだ。毎日散歩の時間を確保するためにカレンダーをブロックする、18時以降はメールに返信しないなど、どのようにウェルビーイングを優先しているのかを、チームメンバーに対してオープンにする。
4. 不快さがレジリエンスを育てる
私は、マイケル・イースターが著書The Comfort Crisisで述べる考え方を受け入れるようになった。現代生活は私たちを困難から隔離し、それがゆっくりと私たちを弱くしているというものだ。不快さに抵抗するのではなく、意図的な不快さへ踏み込む。難しい会話をすること、コンフォートゾーンから押し出されるようなプロジェクトを引き受けることによって、自分とチームのレジリエンスを育ててほしい。
5. 完璧であるより、そこにいること
人は完璧なリーダーを必要としているのではない。そこにいるリーダーを必要としている。あなたが消耗し、注意散漫で、つながりを失っているかどうかは、相手に伝わる。プレゼンスを、過小評価されがちなリーダーシップスキルとして捉えることだ。相手のために姿を見せ、耳を傾ける。非の打ちどころのなさを目指すことより、人間らしさのほうがはるかに重要である。
私は、リーダーシップの変革は個人の変革から始まると信じている。そして、セルフケアなしに他者をケアすることはできない。息子が思い出させてくれたとおり、「まだ遅くない」のだ。
ここで提供する情報は、医学的な助言、診断、治療を目的とするものではない。自身の具体的な状況に関する助言については、資格を有する医療提供者に相談すること。



