資産運用

2026.04.17 00:06

心配するな、すべては制御不能なのだから

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ダグラス・アダムスは『銀河ヒッチハイク・ガイド』でこう言った。「心配するな、すべてはいい具合に制御不能になっていくのだから」。

古い格言をユーモラスにひねったこの言葉は、実のところ、そもそも自分にコントロールなどできない領域では手放すべきだという、きわめて真剣な戒めでもある。常に当てはまる賢明な仏教的感性であり、マクロ経済や市場の方向性を予見しようとする虚しい試みを退けるバリュー投資にとっても例外ではない。

現在の投資環境を見れば、拡大する戦争、1970年代以来の規模の石油危機、そして苦境に立つFRBがある。景気減速と高インフレが同時に進むスタグフレーションの「完璧なレシピ」が、ここまで揃った局面は久しくなかった。だが、経済予測というものはタロットカードを立派に見せるために存在するかのようなものなのだから、このシナリオに特化してポートフォリオを構築するのは愚の骨頂である。

バリュー投資の核心的な原則は、市場の投機家たちの気を散らすノイズを無視することにある。投機家たちは、本質的にコントロール不能で予測不可能なものを制御し予測できると誤って信じている。それに対してバリュー投資家は、明確に見極められる2つのことだけに集中する。投資対象が高品質かどうか、そして(基礎となるキャッシュフローに基づく)本質的価値に対して割安で取引されているかどうかだ。バリュー投資が長期的にグロース投資を圧倒してきたのも当然のことである。

これほどひどい混乱があっても、バリューはアウトパフォームしており、年初来でプラスを維持している。一方、市場全体は2026年マイナスで、S&P 500は4.37%下落している。

バリューが持続的にグロースを上回り始めると、歴史的にそのアウトパフォーマンスは何年も続く傾向がある。もちろん保証はなく、バリュー投資には最近も多くの空振りがあった。しかし必ず潮目は変わる。バリュー投資は過去1世紀にわたり何度も死亡宣告を受けてきたが、最も時代遅れとみなされたまさにその時に、最良の戦略として復活してきた。バリュー投資は基礎的ファンダメンタルズを見るものであり、経済の法則が廃止されない限り、無用の長物になることはあり得ない。

バリュー投資といえば、その最も有名な実践者であるウォーレン・バフェットが昨年95歳で引退した。バリュー投資の有効性を裏付けるように、バフェットは史上最高の投資実績を残して引退した。1965年から2025年にかけて550万%の複利リターン(誤植ではない)を達成し、同期間のS&P 500の3万9000%を大きく上回った。これほど長期にわたってこれ以上の実績を示した投資家はいない。何度も過去の人と言われながら、最終的には常に懐疑論者たちが間違っていたことを証明してきた。

バフェットの哲学を一言で言えば、良い投資とは「適正な価格で買える素晴らしい企業」である。それ以外すべては投機だ。

非常にシンプルだが、多くのシンプルなことと同様に、実践するのは非常に難しい。

FRBへの懸念を踏まえ、投資家は備えておく必要がある。主に債券ポートフォリオの平均デュレーションを短くして金利リスクを管理することだ。短期の投資適格(BBB以上)社債は、債券市場において依然として最良のリスク・リワード・プロファイルを提供している。

一方、米国債(リスク・リワードが悪い)、地方債(債務を抱える都市や州に依存している)、TIPS(リターンが操作されやすい政府統計に依存する)は避けるべきだ。

確かに、すべては制御不能だ。だからこそ、コントロールできる数少ないものを注意深く管理する理由がある。

forbes.com 原文

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